【テルアビブ=佐藤貴生】イスラエル軍は3日夜から4日未明にかけてレバノンの首都ベイルート近郊を空爆した。米紙ニューヨーク・タイムズ(電子版)はイスラエル当局者の話として、親イラン民兵組織ヒズボラの次期指導者候補の1人、ハシェム・サフィエディン師が標的だったと報じた。
地下施設で開かれた幹部の会合に出ていた可能性があるとされ、安否は確認されていない。イスラエル軍は9月27日にベイルート南郊ダヒエにあるヒズボラ拠点を爆撃し、指導者ナスララ師を殺害した。
ロイター通信によると、イランのアラグチ外相は今月4日、空路でベイルート入りした。ミカティ暫定首相のほか、ヒズボラとの関係が深いとされるベリ国会議長らと会談し、イスラエルへの対応策などを協議するとみられる。
イスラエル軍は4日、レバノンとシリアを結ぶ道路を爆撃した。ヒズボラがレバノンへの武器搬入に使っていたとしている。両国間を結ぶ主要ルートで、シリアに避難するため大勢が利用していた。イスラエルのレバノンへの攻撃が激しさを増して以来、シリアには30万人以上が避難したとみられる。
レバノン南部に地上侵攻したイスラエル軍は、対象地域の範囲を広げて南部住民に避難勧告を出した。イスラエル北部の都市ハイファなどにロケット弾が飛来していると報じられ、ヒズボラとの交戦が本格化しているもようだ。