【カイロ=佐藤貴生】レバノンで9月、親イラン民兵組織ヒズボラの戦闘員らが使用していたポケットベル(ポケベル)など多数の小型通信機が一斉に爆発した事件で、イスラエルのメディアは10日、ネタニヤフ首相が関与を認める発言をしたと伝えた。同国政府当局者が認めたのは初めて。
ネタニヤフ氏は10日の閣議で、「ポケベルの作戦と(ヒズボラ指導者)ナスララ師の殺害は、国防当局幹部らの反対にもかかわらず実行された」と語った。今月解任したガラント国防相を念頭に置いた発言とみられる。
レバノン各地で9月17、18日、ヒズボラが戦闘員らに配っていたポケベルやトランシーバーが相次いで爆発し、民間人を含む少なくとも39人が死亡、3000人近くが負傷した。
一方、イスラエルとイスラム原理主義組織ハマスの停戦協議を仲介するカタール政府は9日、双方が停戦に前向きで真剣な姿勢を示すまで、協議の仲介を中断すると表明した。
8日には、バイデン米政権がカタール政府に対しハマスの在外指導部の国外追放を求め、カタール側が了承したと報じられたが、同国外務省は、報道は「不正確」だと述べた。
中東の衛星テレビ局アルジャジーラ(電子版)によると、イスラエル軍は10日にパレスチナ自治区ガザ北部のジャバリヤを攻撃して36人が死亡した。軍はレバノンの首都ベイルート北郊の村も攻撃し、少なくとも23人が死亡した。