【カイロ=佐藤貴生】パレスチナ自治区ガザで続くイスラエル軍とイスラム原理主義組織ハマスの戦闘を巡り、イスラエルのニュースサイト「i24」は12日、アラブ外交筋の話として、トランプ米政権が発足する20日前後に停戦が成立する可能性があると伝えた。
協議はカタールの首都ドーハで、同国や米国、エジプトの仲介で行われている。トランプ次期大統領は自らの就任前に人質を解放するようハマスに要求している。バイデン米大統領は12日、イスラエルのネタニヤフ首相との電話会談で「即時停戦の必要性」を強調した。
イスラエルのメディアによると、ネタニヤフ氏は12日、連立政権を組んでいる対パレスチナ強硬派の極右2政党の党首と会談した。両党首は2023年10月の戦闘開始以来、ハマスと停戦すれば政権から離脱すると主張してきた。ネタニヤフ氏は面会して真意をただしたとされ、停戦を検討している兆候とも報じられた。
イスラエルのメディアが報じた停戦案によると、第1段階として、ハマスがガザで拘束した人質約100人のうち最大34人を解放し、イスラエルは見返りに投獄した多数のパレスチナ人を釈放する。また、イスラエル軍はガザとエジプトの境界地帯などを除き、ガザから撤収するといった内容。