【カイロ=佐藤貴生】イランのアラグチ外相は3日、英国に本拠を置く汎アラブメディアと会見し、シリアで起きたアサド政権側と反体制派の戦闘にふれ、「シリア政府から派兵の要請があれば検討する」と述べた。また、シリア情勢を協議するためロシアを訪問する意向を示した。具体的な日程は述べなかった。
国営イラン通信が伝えた。シリアで続く内戦で、イランとロシアはアサド政権を支持している。露外務省のザハロワ報道官は4日、アサド政権側の「テロ集団」への反撃を支持すると述べた。政権側と反体制派はシリア中部ハマ近郊で激戦となっているもよう。
米国防総省は3日、シリア東部の米軍駐留施設に向けてロケット弾が発射されたとして、「自衛」のため発射地点にあった兵器を爆撃したと発表した。米軍はシリア東部などに約900人が駐留している。
一方、イスラエルのネタニヤフ首相は3日、シリアの隣国レバノンの親イラン民兵組織ヒズボラとの停戦について、「戦闘を終結したわけではない」と述べて警告した。イスラエル軍は11月27日の停戦発効後も度々レバノンを攻撃し、今月2日にはヒズボラがイスラエル軍の拠点を攻撃した。双方とも相手が停戦に違反したと非難し合っている。