【カイロ=佐藤貴生】イスラム原理主義組織ハマスと戦うイスラエル軍は29日、パレスチナ自治区ガザ北部ベイトラヒヤを爆撃し、ロイター通信は少なくとも93人が死亡もしくは行方不明になったと伝えた。米国務省のミラー報道官は「恐ろしい結果」をもたらしたとし、イスラエルに説明を求めたと述べた。
イスラエルは10月初旬からガザ北部を包囲して激しい攻撃を続けている。バイデン米政権は13日、北部に水や食料、医薬品が搬入されないとしてイスラエルに改善するよう書簡で求めたが、ミラー氏は十分な進展はないとの見方を示した。
ミラー氏はまた、イスラエル国会が国連パレスチナ難民救済事業機関(UNRWA)の国内での活動を禁じる法案を可決したのを受け、米国にとって悩ましい問題だと述べた。国連のグテレス事務総長は29日、イスラエルのネタニヤフ首相に書簡を送り、懸念を表明した。
レバノンの親イラン民兵組織ヒズボラは29日、指導者ナスララ師とその後継候補だったサフィエディン師がイスラエル軍に殺害されたのを受け、ナイム・カセム師(71)が新指導者に選ばれたと発表した。組織のナンバー2として対外に情報を発信してきた。
イスラエルのガラント国防相はX(旧ツイッター)に「一時的な指名で、(在任期間は)そう長くない」と投稿した。殺害する意図を示唆したとみられる。