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イスラエル首相への批判高まる デモにゼネスト、米も不信感 英は武器輸出許可を一部停止

産経ニュース 2024年9月3日 8時33分

【カイロ=佐藤貴生】イスラエル各地で2日、イスラム原理主義組織ハマスに拘束されている人質の早期救出を求める大規模デモが行われた。昨年10月の戦闘開始後初めてのゼネストが実施されたほか、後ろ盾の米国なども戦闘方針を巡り不信感を示しており、ネタニヤフ首相への批判が国内外で高まっている。

デモはパレスチナ自治区ガザで人質6人が遺体で見つかったと発表された1日に続くもので、エルサレムや西部の商都テルアビブでは深夜まで行われた。一部で参加者と警官隊がもみ合う混乱も見られた。ゼネストが行われた国際空港では多数の旅行客が足止めを食うなど混乱が広がった。

ネタニヤフ氏は2日に記者会見し、人質6人を救出できなかったことを謝罪した。一方で6人はハマスが殺害したとし、「重い代償」を払わせると述べた。戦闘が終わるのは「ハマスがガザの統治能力を失ったときだ」とし、米国などが停戦を仲介するなかで戦闘継続の意向を示した。

また、ネタニヤフ氏はエジプトとの境界を通じてガザに武器が密輸されていたと訴え、「(境界は)イスラエルが管理しなくてはならない」と強調した。

ガザ・エジプト境界へのイスラエル軍の駐留継続には、軍のガザからの完全撤収を求めるハマスが反対し、人質解放を含む停戦合意の障害になっていると指摘される。

バイデン米大統領は2日、ホワイトハウスで記者団に「ネタニヤフ氏は停戦合意の締結に努力していると思うか」と問われ、「ノー」と答えた。合意案を今週中に提示するかとの質問には「非常に近づいている」と述べた。

また、英国は2日、深刻な国際人道法違反となる軍事行動に使われる「明らかなリスク」があるとして、イスラエルへの武器輸出許可を一部停止することを決めた。ガザでの戦闘に使われる武器が対象で、約350件の武器輸出許可のうち約30件が停止されるという。

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