【カイロ=佐藤貴生】パレスチナ自治区ガザやレバノン情勢について協議するアラブ・イスラム諸国臨時首脳会議が11日、サウジアラビアの首都リヤドで行われた。会議では、イスラエルのガザへの攻撃は「ジェノサイド(集団殺害)」に当たり、レバノンにも範囲を広げて攻撃しているとしてイスラエルを非難する声明を採択した。
会議には50カ国以上の国とパレスチナ自治政府が参加した。声明はガザの停戦に向けたエジプトやカタールの仲介努力に謝意を示した。また、イスラエルはガザで「集団的懲罰」を行い、飢えを武器として使っていると指弾した。
ロイター通信によると、会議ではサウジの実力者ムハンマド・ビン・サルマン皇太子も、パレスチナ人に対するイスラエル軍の攻撃は「集団殺害」だと非難した。皇太子は9月、パレスチナ独立国家の創設がイスラエルとの国交正常化の条件だとくぎを刺した。
イスラエルのサール外相は11日、ガザへの食料搬入が激減してバイデン米政権が10月中旬に改善を要求していた問題で、米側の理解は得られると述べ、状況は改善されつつあるという考えを示した。ロイターによると米側が設定した改善の期限は12日だが、米国務省は先週の時点でも大きな進展はみられないとしていた。