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イスラエル・ネタニヤフ首相はハリス米副大統領に「動揺」 人道危機への懸念表明で

産経ニュース 2024年7月26日 16時52分

【カイロ=佐藤貴生】イスラエルのネタニヤフ首相は、25日に会談したハリス米副大統領への警戒感を強めているもようだ。ハリス氏が会談後の声明で、パレスチナ自治区ガザで多数の死者が出て人道危機が深刻化していることを懸念し、戦闘の終結に向けてイスラエルへの圧力を強める姿勢を示したためだ。

ネタニヤフ氏はガザでの戦闘方針に関してバイデン米政権と対立してきた。訪米を通じ両国関係は良好だと誇示する狙いだったが、ハリス氏との会談では思惑が外れた形だ。米ニュースサイト、アクシオスはハリス氏の強硬な姿勢に接し、「ネタニヤフ氏は動揺した」とするイスラエル政府高官の話を伝えた。

アクシオスによると、ネタニヤフ氏は25日、イスラム原理主義組織ハマスに連行された人質の家族と面会し、「2日以内」に人質解放を含む停戦案をアップデートしてハマス側に提示すると述べた。

ただ、ネタニヤフ氏が停戦で積極姿勢に転じるかは不透明だ。イスラエル国内では人質の早期救出を求めつつも、奇襲によって国に大打撃を与えたハマスとは「共存できない」とし、組織壊滅を求める人も少なくない。

イスラエル国会は7月下旬から10月下旬まで休会に入る。この間は首相や内閣の裁量で対処する事案が増える見通しだ。ネタニヤフ氏は国会休会中、対パレスチナ強硬派の極右勢力と連携し、戦闘継続の必要性を強調することも想定される。

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