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90人超死亡、300人負傷か イスラエル軍のガザ攻撃 標的の司令官の生死は「不明」

産経ニュース 2024年7月14日 7時18分

【カイロ=佐藤貴生】イスラエル軍は13日、パレスチナ自治区ガザ南部の街ハンユニスに近いマワシ地区に激しい攻撃を加え、ガザ当局は少なくともパレスチナ人91人が死亡し、300人が負傷したと発表した。マワシ地区はイスラエルが「人道エリア」と称して避難場所に指定していた。ロイター通信はここ数週間のガザ攻撃で最悪の被害になったと伝えた。

イスラエル軍はハマス軍事部門「カッサム旅団」のムハンマド・デイフ司令官と副官が標的だったとした。13日夜に記者会見したネタニヤフ首相は2人が死亡したかは不明だとした。軍が確認を急いでいる。

イスラエル軍のガザ攻撃は最近、激しさを増している。米国やカタールとともに休戦を仲介するエジプトのメディアは、同国政府高官が交渉の進展を邪魔しないようイスラエルに求めたと報じた。

また、ロイターはエジプトの協議当局者の話として、イスラエルの交渉団に合意に向けた意思がみられないとして、協議をいったん中断すると伝えた。

デイフ司令官は爆弾製造の専門家で、ガザに地下トンネル網を築いて昨年10月7日の奇襲を計画した「黒幕」とされ、イスラエル軍は最重要人物の1人として行方を追っていた。ハマスは、司令官を狙ったとするイスラエル側の主張に対して、攻撃で大きな被害が出たことを正当化する虚偽の主張だと非難した。

イスラエル軍は13日、ガザ北部ガザ市の西方にある礼拝所も攻撃し、少なくとも20人が死亡したもよう。ガザにはイスラエルから連行された人質が約120人おり、ネタニヤフ氏は会見で、人質解放の合意締結に向けてハマスへの軍事圧力を強化するとの考えを示唆した。休戦協議の行方は不透明感を増している。

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