【テルアビブ＝佐藤貴生】イスラエル軍は28日、レバノンの首都ベイルート南郊ダヒエにある親イラン民兵組織ヒズボラの本部への空爆で、ヒズボラを率いる指導者ナスララ師を殺害したと発表した。
イスラエル軍は27日、ヒズボラの影響下にあるダヒエを空爆し、多くの建物が破壊された。ヒズボラの本部は住宅用ビルの地下に設置されており、地下施設への直接攻撃が可能な大型の特殊貫通弾（バンカーバスター）が使用されたと報じられている。
米国防総省は27日、空爆について「米国は関与しておらず、事前通知も受けていなかった」とコメントした。
ナスララ師は民兵組織と政治組織を有するヒズボラの指導者。イラクのイスラム教シーア派の神学校で学んだ。1992年にヒズボラの当時の指導者がイスラエル軍に殺害され、後継者に選ばれた。イスラエルによる暗殺を避けるため居場所を明かさず、集会での演説は事前に録画したものを使っていたとされる。