【カイロ=佐藤貴生】イスラエルとレバノンの親イラン民兵組織ヒズボラの戦闘を巡り、レバノン政府とヒズボラはバイデン米政権が提示した停戦案に同意する意向を表明した。ロイター通信が18日に報じた。停戦を仲介する米政権のホックスティーン特使は19日、レバノンに到着し、停戦の実現に向けて政府当局者らと協議した。
ロイターはレバノンのベリ国会議長の補佐官の話として、提示された停戦案に若干のコメントを付けて米側に書面で回答したと伝えた。補佐官は停戦の成否はイスラエル次第だという見方を示した。ベリ氏はヒズボラとの間に対話のパイプがあるとされる。
イスラエルとヒズボラの間では激しい戦闘が続いている。イスラエル軍は18日にレバノンの首都ベイルートで国会や首相官邸などに近い人口密集地を爆撃し、4人が死亡して18人が負傷した。一方、イスラエル北部にはロケット弾が撃ち込まれて女性1人が死亡、約30人が負傷したほか、西部テルアビブ近郊にはミサイルを迎撃した残骸が落下して5人が負傷した。
イスラエルのネタニヤフ首相は18日に国会で演説し、10月下旬に行ったイランへの軍事攻撃で核開発の関連施設を攻撃したことを明らかにした。攻撃により弾道ミサイルや、長距離弾道ミサイルに使用する固形燃料の製造能力も低下させたと述べた。また、米政権がガザなどの戦闘で、しばしば攻撃に反対したり懸念を示したりしたと述べて批判した。