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イスラエルがヒズボラへの報復表明、戦闘激化に懸念高まる ガザ攻撃では「66人死亡」

産経ニュース 2024年7月29日 18時19分

【カイロ=佐藤貴生】イスラエルの占領地ゴラン高原へのロケット弾攻撃で子供ら12人が死亡したことを受け、イスラエル国防当局の高官はレバノンの親イラン民兵組織「ヒズボラ」への報復を表明する一方、「地域を全面戦争に引きずり込むことは望まない」と述べた。ロイター通信が29日に伝えた。別の当局者は報復の準備に2、3日要する可能性があると述べた。

攻撃は27日に発生。ヒズボラは関与を否定しているが、イスラエルはイラン製のロケット弾が使用されたとしてヒズボラの犯行と断定した。28日の治安閣議で、ネタニヤフ首相らに「報復の手段や時期」の決定が委ねられた。ゴラン高原は戦略上の要衝で、イスラエルが1967年の第3次中東戦争で占領した。

レバノン南部では29日、イスラエルによるとみられる無人機攻撃で5人が死傷した。パレスチナ自治区ガザに続いてイスラエルとヒズボラの戦闘が激化するとの懸念が高まっている。

米国政府はロケット弾攻撃はヒズボラによるものだとして非難しつつ、ブリンケン米国務長官は戦闘の拡大は望んでいないと述べた。米政府は外交的解決を目指してイスラエル、レバノン双方と協議している。

一方、ガザの保健当局は28日、イスラム原理主義組織ハマスに対するイスラエル軍の攻撃で、過去24時間に66人が死亡したと発表した。イスラエル軍は南部ハンユニスを空爆し、攻勢を強めている。

軍は22日、ハンユニスで「人道地区」に指定していた地域に退避要請を出した。ガザ各地で相次ぐ退避要請について、国連パレスチナ難民救済事業機関(UNRWA)のラザリニ事務局長は、数時間で荷造りして避難を強いられる事態が「かなり頻繁」に起き、住民が苦しめられていると批判した。

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