富士山登山シーズン中には例年、多くの救助要請があります。7月10日の開山に合わせ須走口5合目には、山岳遭難救助隊の臨時派出所が開設されました。
救助隊のもとに早速、救助要請が…一部始終をカメラが捉えました。須走口5合目に開設された臨時派出所。静岡県警の山岳遭難救助隊は、ここを拠点に、パトロールや救助活動を行います。10日、六合目付近を隊員がパトロールをしていると…救助要請が入りました。
(隊長)
「砂走り下山中、26歳女性、糖尿病、場所はどこですか?」
(隊長)
「糖尿病を患っているが原因が分からないので、気持ち悪いって言っているので熱中症かもしれない」
救助を待つ女性のもとへ急いで向かいます。隊員が駆け付けたその先には、アメリカ人女性が力なく座り込んでいました。8合目付近で体調が悪くなって登頂を断念し下山していましたが、体調が悪化し、動けなくなったといいます。
(隊員)
「1、2、3!」
友人と2人で旅行していたという女性。
(隊員)「富士山は初めて?」
(友人)「そうです」
(隊員)「2人とも初めて?」
(友人)「そうです」
隊員は女性を背負い慎重に下山していきますが…足場が悪く、途中でよろける場面も。女性の体調を考慮し、途中で休憩をはさみながら下山していきますが、日没も迫り、隊員にも焦りの色が…。
(隊長)
「ここにいてもつらいだけだから頑張ろう、行くしかないよ」
途中、救助隊の要請で5合目から登って来た消防隊も合流。女性を担架に乗せて下山します。隊員の声にも力が入ります。
(隊員)
「あともう少し!ファイト!」
約3時間後、ようやく5合目に到着し、女性は無事付近の病院に搬送されました。女性の命に別条はなく、隊員もほっとした様子。救助にあたった隊長は…。
(御殿場警察署 山岳遭難救助隊 足立賢一 隊長)
「一人でも遭難者を増やしたくないので、基本的な装備や登山に対する心構えなどを注意・啓発しながらパトロールしている」
夏山シーズンのこの時期。楽しい思い出にするためにも「登山計画」を立てることや、無理な登山は控えることが大切です。
この記事の動画はこちらから再生できます