リニア工事をめぐり、大井川の流域市町は、JR東海と定期的に意見交換することを決めるなど距離を縮めています。こうした動きに対し、JRに厳しい姿勢をみせる静岡県の川勝知事は?
リニア新幹線の工事によって、大井川の水量減少が懸念されている問題で、有力な解決策として検討されているのが、大井川上流にある「田代ダム」の取水を抑制し、大井川の水量を確保する案です。
現在、JR東海と「田代ダム」を管理する東京電力との間で協議が進められていますが、川勝知事は「実現可能性を見守る」などと慎重な姿勢を崩していません。
こうした中、「田代ダム案」の実現に前向きな大井川流域10市町は、9月9日、JR東海の丹羽社長と意見交換会を開き、双方の事務方同士で定期的な意思疎通を図る「連絡調整会議」の設置を求めました。
これを受けて、9月21日、JR東海の丹羽社長は、会議の設置に前向きな姿勢を示しました。
(JR東海 丹羽社長)
「ぜひ設けさせていただきたいとお答えしている。できるだけ早い時期に始められればと考えている」
「田代ダム案」の実現に向け、距離を縮める「JR東海」と「流域市町」
一方、川勝知事は、今もJRに厳しい姿勢を見せていますが、JRと流域市町が定期的に意見を交換することについては、歓迎する考えを示しました。
(川勝知事)
「(JR東海が)科学的工学的に説明して、住民や利水関係者が納得することが必要。(JR東海と流域市町の)信頼関係ができた、最高の成果」
一方、JRにリニア工事で出た残土置き場の再検討を求める静岡県の姿勢に対し、静岡市の難波市長が疑問を呈したことについて、川勝知事は「静岡市とも連携して検討していきたい」と話し、今後、静岡市の意見を聞く考えを示しました。
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