リニア新幹線の工事で、静岡県外に流出した水を大井川に戻す策である「田代ダム案」について、川勝知事は、28日の会見で容認する考えを示しました。解決策として正式に認められれば「水問題」の解決に向けて大きな前進となりそうです。
リニア新幹線のトンネル工事に伴い、大井川の水量減少が懸念されている問題で、JR東海が解決策として提示しているのが、大井川上流にある「田代ダム」の取水を抑制して、大井川の水量を確保する案です。
「田代ダム案」をめぐっては10月、JR東海がダムを管理する東京電力との協議がまとまったとして、具体的な実施案を発表。その上で県に対し利水関係者などで構成される「協議会」に、「了解」を求める要請書を送っていました。要請書の送付から約1か月、流域市町の一つである島田市の染谷市長は27日の会見で、「協議会」が田代ダム案を了承する方向で調整していることを明らかにしました。
(島田市 染谷 絹代 市長)
「今週中にも書面決議の方はまとまっていくのではないかと思います。県のご意見を含めてそう遠くないうちにJR東海にお返事ができるのではないかと思っています。実施案については、了解するということで考えていると思います」
一方、川勝知事は、28日の会見で、協議会で田代ダム案に対する意向を取りまとめている段階であることを明らかにしました。
(川勝知事)
「昨日、大井川利水関係協議会の会員あてにJR東海の実施案に対する意向について本日中に回答するようにお願いしている」
また、記者から「県は田代ダム案を推進していく方針か?」と問われると…。「検討に値するスキームだという専門部会の意見を尊重したい」と、田代ダム案を認める意向を示しました。
(川勝知事)
「(田代ダム案の)実現性を技術面から確認するために引き続き専門部会でJR東海との対話を進めていくという指定の上で、検討に値するスキームであるという意見があるのでそれを尊重したい」
(記者)
「これはリニアの工事にとって一歩前進したとお考えでしょうか?」
(知事)
「そうですね」
水問題解決のカギとして注目を集めていた「田代ダム案」。現在、協議会が取りまとめているJR東海への報告で解決策として正式に認められれば「水問題」の解決に向けて大きな前進となりそうです。
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