静岡県内でも異例の早さで流行し、5シーズンぶりに「警報レベル」に達したインフルエンザ。中でも小中学生の感染が増えていて、医療機関も対応に追われています。
県によりますと、11月20日からの1週間で、1定点医療機関あたりのインフルエンザの患者数が、30.96人となり、警報レベルの基準の「30人」を超えました。インフルエンザが「警報レベル」に達するのは、5シーズンぶりだということです。
なかでも、小中学生の間で感染が増えていて患者全体の半数以上を占めています。その影響で、県内では11月27日から12月4日までに、16の小中学校の28クラスで学級閉鎖や学年閉鎖となっています。
静岡市駿河区にあるこちらのクリニックには先週末、多くの発熱患者が訪れたといいます。
(するがこどもクリニック 草深 純一 院長)
「70~80くらいの発熱患者がいて、そのうち50~60人くらいがインフルエンザ、それ以外の方は違う感染症。一番多いのは小中学生、親御さんも少しいる。部活内や学校内の行事でうつっている可能性はある」
年末年始にかけて人との接触機会が増え、さらなる感染拡大が懸念される中、どのような感染対策をとったら良いのでしょうか。
(するがこどもクリニック 草深 純一 院長)
「一番はまず症状が出た段階で、ご家族の方含めて手洗い、うがい、マスクと十分な睡眠と十分な水分しっかりとっていただいて、改善しない場合は速やかに医療機関に相談した方がいい」
草深院長は、インフルエンザの予防接種について、一度インフルエンザにかかっても再び感染する恐れはあるため、接種を検討してほしいと話しています。
インフルエンザにかかった時に必要なのが医療用の医薬品ですが、一部の薬が全国的に不足する状況が続いています。静岡市駿河区の石川薬局ゼフィルス店によると、患者数の増加や医薬品メーカーによる出荷制限などにより、咳止めや痰を切る薬が不足していて、インフルエンザの薬では、特に小児用の薬が手に入りにくい状況が続いているということです。薬局間で薬の在庫を共有をしている所もあり、事前に電話で在庫の有無を確認することで処方された薬が手に入りやすいということです。
異例の早さで拡大しているインフルエンザ。まずは万全な感染対策が求められています。
(スタジオ解説)
異例の速さで流行しているインフルエンザですが、例年は年末年始にかけ
感染者が増加する傾向にあります。コロナ前の2019年シーズンの流行状況をみると、1医療機関あたりの患者が「10人」の「注意報レベル」となったのは、12月末から1月にかけてで、1月後半に流行のピークを迎えています。
一方、今シーズンは、10月上旬に注意報レベルの定点医療機関あたり「10人」以上となり、11月26日までに「30人」以上の警報レベルに達していて、例年よりかなり早いペースで感染が拡大していることがわかります。
流行が早い要因となっているのが小中学生の感染が増えていることです。年齢別に見てみますと、6歳~9歳が28パーセント、10歳~14歳が27パーセントとなっていて、患者の半数以上を小中学生が占めていて、子どもを中心に家庭内感染が増えているこということです。
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