袴田巌さんの再審=やり直しの裁判の4回目の公判が静岡地裁で行われました。11日は検察の主張する犯行着衣とされている「5点の衣類」について弁護団が反論しました。
(宮下 楽 記者)
「再審の4回目の公判に向けて、袴田さんの弁護団が裁判所の中に入っていきます」
11日朝、取材に応じた姉ひで子さん。寝ている巌さんを起こして裁判所へ向かいました。
(袴田 ひで子さん)
「この間、検察が読んだものをすべからく反論してほしいといった。5点の衣類は重要なこと、反論してもらいたい」
1966年、旧清水市で一家4人が殺害された事件で死刑が確定した袴田巌さん。
10月27日から始まった再審公判で検察側は「犯人はみそ工場関係者の袴田さんで、犯行着衣の5点の衣類をみそタンクに隠した」などと袴田さんの有罪を主張。一方、弁護団は「事件は強盗殺人ではなく、犯人の恨みによる殺人で、複数人による犯行」などと指摘し、無罪を主張しています。
11日の公判は、午前に検察側の立証、午後からは弁護団の反論が行われていて、弁護団は冒頭陳述で「5点の衣類」について、犯行着衣ではなく捜査機関によりねつ造されたものだと主張。検察側の主張に対し「5点の衣類」が、袴田さんのものでも犯行着衣でもないと強く反論しました。
その理由の1つとして、弁護団は独自で行ったみそ漬け実験などから「5点の衣類」は1年2か月以上、みそに染まった生地の色ではないなどと指摘し、捜査機関によってねつ造されたものだと主張しています。また、法廷には犯行着衣とされている「5点の衣類」のステテコやズボンなどが展示され、裁判長らが確認しました。
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