岸田政権を揺るがす自民党・安倍派の“裏金疑惑”について、元東京地検特捜部副部長の若狭さんに、3つの疑問について聞きます。
①この裏金疑惑ですが、何が問題で、どこに違法性があるのでしょうか?
(若狭 勝 弁護士)
“収支報告書に記載がない”ことは、お金の使い道がわからないということ。報告書への記載は、犯罪を防止する手段。法律は、収支報告書にお金の出し入れをきちんと書きなさいと、要請している。その要請を無視するかたちで、何も書いてなかったということが“違法”だということ。“キックバック”あることが問題ではなく、お金の流れを収支報告書に記載しなかったことが問題。
②この問題について問われると、渦中の議員たちは口を揃えたかのように「精査中」「捜査に支障がある」などと話し、説明を避けているように見えます。そもそも、発言することで捜査に支障があるのでしょうか?
(若狭 勝 弁護士)
今は取り調べが始まっていないので、議員が説明しても “捜査に支障はない”。政治資金パーティーは裏金作りの温床と認識している。国民に説明しなければならないという強い要請があるにもかかわらず「捜査に支障がある…」というのは、一つの逃げ口上だと思う。
③元検察の立場だった若狭さんですが、今後、捜査はどこまで進むと見ていますか?
(若狭 勝 弁護士)
収支報告書に記載していなかった合計金額が、いくらくらいになるかによって、政治家の刑事処分が決まっていく。金額が少ないと、罰金にもできない。不記載の合計額が4000~5000万円くらいになると、罰金くらいになる。1億円ということになると、禁固刑を求める裁判にかけられる、起訴される。特捜部は本気、多額の不記載があれば、起訴の可能性もある。
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