「木挽町のあだ討ち」で、2023年、直木賞を受賞した静岡・島田市生まれの作家・永井紗耶子さんが講演会を開きました。多くのファンの前で地元・島田での思い出などを振り返りました。
12月9日、島田市で講演会を行ったのは島田生まれの直木賞作家永井紗耶子です。県内外から訪れた120人のファンを前に、物語の題材にもなっている歌舞伎に興味を持ち始めたきっかけの1つが島田市の「帯まつり」であることなどを語りました。
(直木賞作家 永井紗耶子さん)
「大名行列を行ったというシーンを書いたとき、帯まつりの行列が思い浮かぶ。とても印象深い」
永井さんは2023年7月、第169回直木賞を受賞。受賞作「木挽町のあだ討ち」は、江戸を舞台に、雪が降る夜、芝居小屋のそばで起きた仇討ちをめぐる時代小説です。
(直木賞作家 永井紗耶子さん)
「うれしいというのと怖いというのと、なんだこれというのが極まってくる。読みやすさという点では自信をもっていたが、遠くに見上げていた賞をもらうとは思っていなかった」
初めて島田で講演会を行ったという永井さんは、時おり笑いを交えながら、自分の名前が市内にある大井神社で授かったエピソードなどを披露しました。また、江戸時代の文学に数多く島田が登場することから、当時から、島田が文化の発信地だったことを紹介しました。
(直木賞作家 永井紗耶子さん)
「島田髷がファッションの最先端として描かれている。島田が持つ文化発信力があったと思う」
講演会の後には、直木賞を受賞する前から訪れていたという島田市の書店でサイン会を開催し、70人以上のファンが列を作りました。永井さんをデビュー前から応援していたというこちらの書店では「木挽町のあだ討ち」を、すでに250冊以上売り上げているということです。
(直木賞作家 永井紗耶子さん)
「自分にとってルーツというか懐かしい町なので。島田が好きで、その魅力を知りたくて調べたり書いたりしてきたので、それが伝わればうれしい」
永井さんは出生地・島田でのファンとの交流を楽しんでいました。
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