自民党・安倍派の政治資金パーティーを巡る問題が県内の議員にも波及しました。東京地検特捜部は「かなり本気」と言われています。
自民党安倍派で、防衛副大臣を務めていた宮沢博行 衆議院議員。比例東海ブロック選出、選挙区は磐田市や掛川市などの静岡3区です。14日、自らすったという墨を使って署名したのは辞表です。
宮沢議員は、この前日、
(宮沢議員)
「派閥からかつて収支報告書に記載しなくていいという指示があったはっきり申し上げます、3年間で140万円。『しゃべるな、しゃべるな』これですよ」(Q.誰からの指示?)「派閥の方からです」
キックバック分を記載しないよう安倍派から指示があったことや、かん口令が敷かれたことを暴露していました。辞表提出は、一連の問題で岸田総理が、安倍派の閣僚や副大臣を交代させる方針を固めたことを受けたものでした。
(宮沢議員)
(発言したことに)「悔いはありません。もうだいぶ前から、どうしようか、しゃべろうかと思っていましたので、悔いはありません」
この暴露、地元・磐田市の有権者はどのように受け止めたのでしょうか。
(磐田市民)
「地元の人が関わっていたとは残念、潔いというか初めに非を認めてたことはいいがやったことがやったことなので」
「クリーンな政治無駄遣いはやめてほしい国民のことを考えてほしい真剣に考えてほしい」
では、キックバックの金額を収支報告書に記載Iしなくてよいと指示したのは派閥の誰だったのでしょうか。
(宮沢議員)
(Qどなたから記載しなくていいと指示があったんですか?)
「5,6年前の話ですから、もう誰というわけではなく、派閥からそういう話があったとしか記憶がございません」
実際「かん口令」はあったのか。同じ安倍派の塩谷立座長は、
(塩谷座長)
「特にそういう事はありません」
(Qキックバックがないようにしろという指示があったと宮沢議員が言っていたが?)「それはまだ精査中であります」
塩谷座長は比例東海ブロック選出、選挙区は浜松市中心部の静岡8区です。塩谷座長自身も1000万円以下のキックバックを受けたとみられ、取材に対し、「精査中」と繰り返してきました。
その後、精査は進んだのか、15日、塩谷座長を直撃すると…
(塩谷座長)
(Q.少しお話伺えますか?)
「正式に言ってください」
(Q現在も精査中ということでよろしいでしょうか)
「そうですね」
関係者によりますと、政治資金収支報告書に記載のないキックバックの総額は、安倍派が、約5億円。そして、二階派はノルマを超えた収入1億円余りを記載していなかったとみられています。いずれも総額が「億単位」になることから、東京地検特捜部は強制捜査が必要と判断したものとみられています。
県内で二階派に所属している静岡5区の細野豪志議員は、「ノルマ」も「キックバック」もあったが報告書に記載し、適正に処理しているといいます。
(細野議員)
「私の場合は2019.20年かな派閥に入れていただいた直後はとにかく頑張ろうということでいろんな方にお願いしたので思った以上にパーティーチケットが売れた。それで還付金という形でいただいた。当然、収支報告書で報告をしている」
そして、若林洋平参院議員は、約50枚のチケットを販売する目標があったが、目標に達していないため、キックバックもないと話しています。
この自民党の政治資金パーティーをめぐる問題。特捜部が、16日から安倍派所属の議員への任意の事情聴取を始めたことが関係者への取材でわかりました。また、収支報告書の不記載は派閥が主導して組織的におこなれていた可能性もあるとみられ、特捜部は、週明けにも派閥の関係先への強制捜査をするなどして実態解明を進めていくものとみられます。
(岸田首相)
「国民の信頼回復のために、火の玉となって自民党の先頭に立ち取り組んでまいります」
“裏金疑惑”ですでに火だるま状態とも言える岸田政権。国民の信頼を取り戻すことはできるのでしょうか?
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