川勝知事がリニア問題の解決策として「部分開業」を主張していることについて、静岡市の難波市長は「ありえない案」「静岡県には関係ない」などと厳しく批判しました。
(静岡市 難波市長)
「部分開業で採算が取れるわけがない。ありえない案」
22日、難波市長が「ありえない」と指摘したのは、先週、川勝知事がリニア問題の解決策と主張した“部分開業論”について。リニア新幹線をめぐってはトンネル工事に伴う環境への影響を懸念する県が、静岡工区の着工を認めていません。先週の県議会で、川勝知事は、議論が難航するリニア問題の解決策について問われると…。
(川勝知事)
「現行ルートを前提にした上で、開通できる状況になった部分から開通させるということが、営業実績となり、解決策になると考えている」
2022年、リニア新幹線に試乗した際「リニアを動かすための『変電所』が神奈川県にない」との説明を受けて撤回した“部分開業”を、再び主張したのです。
川勝知事の“部分開業”とは、2027年の開業が困難になっている品川ー名古屋間のうち、神奈川ー山梨を先行的に開業するというもの。
先週の会見で、再び“部分開業論”を主張した理由について問われると…、
(川勝知事)
「変電所が一つできれば(リニアを)動かせるということは、皆さんご存じなわけです。それをやるかやらないかは、会社の意思。今度は社長が代わった。丹羽社長になりましたので(考えが)変わる可能性がある」
「JR東海の社長が代わったから」と説明しました。
“部分開業論”再燃の理由とされたJR東海の丹羽社長は、21日、部分開業について「現実的ではない」と全面否定しました。
(JR東海 丹羽 俊介 社長)
「部分開業を行う考えはございません。開業のための多くの設備をセットで完成させる必要があるほか、試運転や運営体制を始め、確認すべきことが数多くあるため現実的ではないと考えている」
県の副知事時代からリニア問題を担当してきた静岡市の難波市長も、22日の会見で「知事が口を出す話ではない」と厳しく批判しました。
(静岡市 難波市長)
「どう開業していくは事業者(JR東海)が決める話であって、企業の経営に関係ない人が『部分開業がいい』とか言う話ではない。自分の県であればまだいいです。 例えば山梨県がそう言うんだったらそれはわかりますけど、静岡県には関係ない。なんで(部分開業論を)言うのかちょっとわからないですね」
反発が続出する川勝知事のリニア新幹線“部分開業論”。2024年は建設的な話し合いが進み、リニア問題解決へ道筋をつけることはできるのでしょうか。
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