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【能登半島地震】そのメカニズムは?静岡県で心配される同様地震への備えや心構えなど専門家が解説

Daiichi-TV(静岡第一テレビ) 2024年1月4日 19時11分

静岡・常葉大学副学長で津波工学や防災情報が専門の阿部郁男教授とお伝えしていきます。

Q.今回の地震で大きな地殻変動が起きています。国土地理院によりますと輪島で120センチ以上、西側へずれたのを始め、多くの地域で西に動き、また隆起していると観測されています。こうした観測結果についてはどう思われますか?

(常葉大学副学長 阿部 郁男 教授)

「今回の地震がマグニチュード7を超えるような非常に規模の大きな地震でしたので、1メートル前後隆起したり動くことは起こりうることかと思っています」

Q.大きな揺れをもたらした地震のメカニズムについて解説をお願いします。

(常葉大学副学長 阿部 郁男 教授)

「今回のメカニズムで報じられているのが、沈み込んだプレートから「流体」水のようなものが上の方に上がってきて、それが押し上げることによって、能登半島で地震が起きたのではないかといわれています」

「地震の起こり方は、押される力で断層がずれ動くタイプの『逆断層型』といわれるものと、引っ張る力で断層がずれ動く『正断層型』と呼ばれているタイプがありまして、今回、押される力によって断層がずれ動いた『逆断層型』の地震であるとみられています」

Q.静岡では南海トラフ巨大地震が心配されていますが、今回の地震の影響はありますか?

(常葉大学副学長 阿部 郁男 教授)

「南海トラフの巨大な地震もプレートが押す力によって動く『逆断層型』の地震となるわけなんですが、今回の能登半島で起きた地震と大分距離が離れていますので、直接今回の地震が南海トラフの巨大な地震に影響を与えるようなことは考えにくいと思っています」

Q.わたしたちは今回の地震と同様の地震に対して備えが必要になってきますね?

(常葉大学副学長 阿部 郁男 教授)

「今回の地震は150kmの範囲内で断層がずれ動いたのではないかといわれていまして、生活域の直下で起きたものですから激しい揺れに襲われて被害が出てしまったと考えられます」

Q.過去の例についてみていきたいのですが…。

(常葉大学副学長 阿部 郁男 教授)

「直下型の地震といいますと、1995年の阪神淡路暖震災を忘れてはいけない地震だと思います。阪神淡路暖震災は約60kmくらいの長さの範囲で地震が起きたのではないかと考えれています」

Q.県内でも「 直下型地震」というのがあったんですね。

(常葉大学副学長 阿部 郁男 教授)

「ちょうど能登半島と同じように、静岡県にも伊豆半島がありますが、伊豆半島の周辺でも、その直下で1974年の伊豆半島沖地震、これは20kmくらいの長さの断層がずれ動いたのではないかといわれています。その4年後の1978年には伊豆大島近海地震があり、23kmくらいの断層が動いたのではないかと考えられています」

南海トラフ巨大地震だけではなくこうした直下型地震にも備えが必要だということが過去の例からもわかります。

Q.コメンテーターの津川さんは東日本大震災のときに政府の復興対策本部の現地対策本部長として、実際に現地で指揮をとられたということですが、いま現地で必要なことはどんなことでしょうか?

(コメンテーター 津川 祥吾さん)

「いまはなんといっても人命救助が最優先ですね。行方不明者、安否不明者の捜索、それから医療チームのD-MATなどによる負傷者の救助、これが一番です。そして並行して地元の建設業者ですとか、国土交通省のTEC-FORCE(テックフォース)といったチームが入って道路の『啓開』を行っています。道路を通れるようにする作業です。ただ今回は道路の被害が大きくて、この『啓開』作業が難航しているという状況です。ですから現地に入るルートが限られているというのが現状ですね。被災者の方々の話を聞くと、どうしても わたしたちは水や食料を届けたいという思いになりますが、石川県の話としまして、支援物資を個人として持ち込むことは道路が渋滞するなどして人命救助が遅れかねないということで、ありがたいけれどもくれぐれもご遠慮いただきたいということでした」

Q.阿部教授、いま静岡の皆さんに求めることはどういったことでしょうか?

(常葉大学副学長 阿部 郁男 教授)

「静岡県では南海トラフの巨大な地震が心配されていて、それに向けていろいろな対策が取られていると思いますが、実際に今回 半島部で起きた能登半島、直下型地震です、そういった地震が過去にも静岡で起きていたことがありますので、南海トラフの巨大な地震だけではなく、わたしたちのすぐ足元で起こりうる、そうしたもう少し規模の小さい直下型の地震に対しての備えを確認していただきたいと考えています」

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