元日に最大震度7の揺れを観測した石川県の能登半島では、発生から3日が経ち懸命な救助活動が続いています。DaiichiーTVの取材班が、被害が大きかった輪島市を訪れると、地震の揺れの激しさがわかりました。
生存率が大幅に低下するといわれている、発災から72時間が経過した被災地では、4日も建物に取り残された人などを助け出すための救助活動が続いています。今回の地震では、東日本大震災以来となる大津波警報が発表されたほか、激しい揺れによる家屋の倒壊や火災によって大きな被害が出ました。
3日、懸命の救助活動が続いていた石川県・輪島市。そのとき…。
「全員出て!」「離れろ離れろ!建物離れろ!」
震度5強の地震が発生。その後も断続的に地震が続いています。こちらの住民は、姉が家屋の下敷きになっているといいます。
(家族の救助を待つ人)
「生き埋めの人は何人もいます」「声がかかる人から救助活動になってると思いますけど。 もうひどいので全滅状態です」
近所から、助けを求める多くの声を聞いたという人も。しかし…
(被災者)
「あそこにもここにもおると言っても(助けに)行けなくて」「耐えられんね」
石川県内では、4日午後2時時点で82人が死亡。339人がけがをしていて、安否が分からない人が79人います。住宅の被害は、全壊と半壊を合わせて213棟となっています。避難生活を送る人は3万を超える中、気温の低下や土砂災害の危険性も心配されています。北陸電力によりますと、午後4時時点で石川県で約3万世帯で停電が起きていて、暖をとりたくてもライフラインの復旧は見通せていません。
こうした中、被害が大きかった輪島市役所には、4日朝、自衛隊の給水車が初めて到着。約1000リットルがわずか1時間でなくなってしまったといいます。輪島市内には約1万1000人の方が避難所に身を寄せていて、3日の時点で物資は2000食分しかないということです。
元日の午後4時10分ごろに発生した、石川県能登半島を震源とするマグニチュード7.6の地震では、石川県で震度7を観測。県内では袋井市で震度4を観測するなど、広い範囲で揺れを観測しましたが、県内では地震による被害はありませんでした。
県内の警察と消防は、早速、被災地に入り、救助活動を行っています。県警は被災地での救助活動などを行う「広域緊急援助隊」として66人を派遣、石川県珠洲市で安否確認や行方不明者の捜索などにあたっています。消防は県内の各消防本部から68隊239人が派遣され、現地で情報収集や救助活動を行っています。
また、被災地の自治体を支援するため、3日に県の職員4人が石川県穴水町に派遣されました。職員らは、避難所の運営や罹災証明書の交付などの業務を支援するということです。また県は、石川県の要請を受け、アルファ化米などの備蓄食料7320食を石川県かほく市に向け輸送しました。
(県 山田勝彦 危機報道官)
「一日も早く現地に入って、住民の皆さんに食料等をお届けして、少しでも役に立てればと考えている」
一方、医師、看護師などからなる災害派遣医療チームDMATは、県内7つの病院から36人が派遣され、石川県内の救護所や病院で医療ニーズの聞き取りや避難者の体調確認などを行っています。
地震発生から4日で4日目。DaiichiーTVの取材班は震度6強を観測した石川県輪島市に向いました。輪島市では大規模な火災が発生したほか、4日午後2時時点で48人の死亡が確認されています。被災地を訪れると、地震の激しい揺れによる爪痕が残されていました
輪島市門前町では、建物が屋根から崩れ落ち、がれきは道路に散乱。あちこちで建物の倒壊が見られるほか、道路は陥没し、ところどころでひび割れていました。取材を進めていると、住宅の前に立つ被災者の姿が…今回の地震で足を骨折してしまったといいます。
(被災者)
「最初はガタガタとちょっと強めの揺れがきて、その後1分か2分してダーンと、ぐるぐる回るというか家がガサガサ。床と壁がはがれた。その間に足を挟んで骨折した」
こちらは輪島市にある商店街。普段は多くの飲食店や衣料販売店などが並び、休日には県外からの観光客などが訪れる場所ですが…
( 片山記者)
「石川県輪島市門前町の商店街です。建物のほとんどが崩れてしまい、その一部分が道路にまではみ出してしまっています」
こちらの陶器店では、地震の影響で棚に飾られた商品はほとんど床に落下し、足の踏み場もない状態に…
(沢田陶器店 澤田由紀子 店主)
「めちゃくちゃだね。中が全然だめだから、とにかく片付けて。どこから手を出していいか分からなくて」
この地域では、電気やガスなどのライフラインは復旧せず、水や食料などが不足していると訴えます。
(沢田陶器店 澤田由紀子 店主)
「食べ物はどうにか。欲しいものはいっぱいあるけど、水。給水車が来てくれない。避難所にペットボトルをもらいに行くだけだから、3、4日は顔も洗ってない。きのう仮設トイレができたが。電気がきてほしい」
被災地ではいまだ人数が把握できていない孤立集落があることから、各自治体が実態の把握を急ぐとともに、懸命の救助活動を続けています。
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