元県危機管理監で現在は、静岡大学特任教授の岩田孝仁さんとお伝えしていきます。
Q:能登半島地震の発生から5日目となりました。これまでの状況を見てどう思われますか?
(静岡大学 岩田 孝仁 特任教授)
「厳冬期に地震災害の典型的な状況が同時多発的に起きた。強い揺れで建物が倒壊、火災、津波、土砂災害、道路やライフラインがいろいろな所で途絶えてしまっている。もう一つの要素は、過疎・高齢化が進む地域を災害が襲ったということで、様々な困難が地域を襲っている状況」
Q:今、被災地で必要なことは?また静岡にいる私たちができることは?
(静岡大学 岩田 孝仁 特任教授)
「現地はまだは入れない地域があり、通信網も途絶えて混乱している。そうした中、個人的に物を送ろうということは、気持ちは有り難いが、今は止めるべき。日赤など、地元でも義援金の窓口を作っていますから、そうしたところにお金を送るとか、企業でまとまって物資を送るのであれば、現地の自治体と調整をして、送っていただければ」
ボランティアなどに関しては、受付が開始してからということですね。
南海トラフ巨大地震が心配される静岡県も、あらためて「備え」についてチェックする必要があります。岩田さんにポイントをまとめていただきました。
Q:孤立地域の対策とありますが?
(静岡大学 岩田 孝仁 特任教授)
「様々な対策を静岡ではやってきているが、一度全て検証する必要がある。その中の一つの事例として、孤立対策がある。孤立が予想される地域が県内にたくさんある。例えば、通信インフラとして防災無線の子機などを現地に置いたりしてきたが、そうしたものが本当に使えるかどうか?空路で支援に入るときに、臨時のヘリポートを準備したが、現在本当に使えるのか?陸路が途絶えた時に、どう連絡をするのか確認してもらいたい。高齢化に対応しているか、全てに関わるが、例えば津波の避難のための階段のステップが高くて、高齢者が杖をついて登れないなどの問題も出てくる。社会が変化してくるなかで、様々な対策が現実的に使えるかどうかをチェックする必要がある」
Q:続いては各家庭ですべきことをまとめてもらいました。
(静岡大学 岩田 孝仁 特任教授)
「まずは、自分の家がどういう状態か、津波や土砂災害の危険がある場所なのか、洪水など、災害リスクについてハザードマップで確認してほしい。それと、家が耐震化されているかどうか、チェックしてほしい。もしされていない場合は、真っ先に耐震化を進めていただきたい」
「1週間程度の水・食料の備蓄とよく言われているが、家族構成によっては、これ以外にいろいろな物が必要になる。高齢者がいる場合とか、乳幼児がいる場合はミルクが必要など、また、在宅で医療機器を使っている方は、電源が確保できないと命にかかわってくる。こうした、家族構成に応じた備蓄がされているかということを確認していただきたい」
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