能登半島地震の被災地を取材した杉本記者に現地の状況を伝えてもらいます。
(杉本 汐音 記者)
私は、石川県内で特に被害が大きかった珠洲市や輪島市などを取材しました。
被災地を取材してどう感じましたか?
(杉本 汐音 記者)
1月7日から8日にかけて、石川県は大雪となり“奥能登”と呼ばれる輪島や珠洲では10センチ以上の雪が積もり厳しい寒さとなりました。被災地では道路に亀裂が入っていたり土砂崩れが起きてふさいでいたりしてかろうじて通行できる状態でしたが雪が降ってさらに危険な状態となり救急車もかなり慎重に走っていました。
厳しい寒さの中、避難生活を強いられている住民の皆さんの様子は?
(杉本 汐音 記者)
避難されている方々は自宅から持ち出した畳をしいたり毛布で寒さをしのいだりしていました。私は、100人以上が避難している輪島市内の公民館を取材しましたが避難生活を送る住民の皆さんの多くは自宅が倒壊して“帰る家がない”状況で先の見えない避難生活に不安を訴える住民が多くいました。さらに被災地の多くの地域では停電や断水が続いていて衛生環境も悪く体調を崩して救急搬送される方もいました。一方、徐々に支援物資は届き始めていて避難生活を送る住民の皆さんは水や缶詰などを使って食事を作っていました。
いま被災地に必要な支援は?
(杉本 汐音 記者)
「水」が足りないという声が多く聞かれました。支援物資の飲み水はあるけれども食事や手を洗うのに使える「生活用水」が足りないといった声や、風呂に一週間入っていないため早く髪を洗いたいと話す方が多くいらっしゃいました。
避難生活が長引く中どのようなことが課題だと感じましたか。
(杉本 汐音 記者)
まずはトイレの環境です。避難所には仮設トイレも設置され始めていますが避難している人の数に対して全く足りていない状況です。現地で活動する医療関係者は、「トイレの衛生環境が悪いとトイレに行くのを控えて体調を悪くしてしまう方もいる」と話していました。
通信手段についてはどのような状況でしょうか?
(杉本 汐音 記者)
地震から1週間以上経っても広い範囲で通信障害が続いているという状況でした。そのため、連絡を取ったり情報を得ることが全くできず、私自身も不安を感じました。ある被災者の方は、「無事だよ」という一言を県外の知り合いに伝えたいがその手段がないとおっしゃっていました。
私たちが今からでもできる備えとして、どのようなことがあげられますか?
(杉本 汐音 記者)
被災地を取材して強く感じたのが「非常食」と「水」を備えることの重要性です。能登半島地震では支援物資が届き始めるのに1週間程度かかった地域も多く「非常食」や「水」を備えておく必要性を感じました。「水」については最低1週間は飲料水を備えておくことに加えて、水を使わないドライシャンプーや歯磨きシートなども用意しておくと有効だと感じました。
そのほか被災地で求められていたものは?
(杉本 汐音 記者)
インフルエンザや新型コロナなど感染症への対策です。避難所は「密」を避けることが難しく、こうした感染症が流行していたところもあり、アルコール除菌シートやマスクを求める声が多く聞かれました。
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