12日、2024年初めての記者会見に臨んだ静岡市の難波市長。川勝知事が「2037年までにリニア問題の解決を図る」としたことに「行政の責任者としてありえない」と批判しました。
12日朝、静岡市役所では、能登半島地震で被災した石川県輪島市に派遣される第二陣の職員6人の出発式が行われました。派遣職員は、1月12日から17日までの間、全国から届いた支援物資の荷捌き業務などにあたる予定だということです。
12日の会見で、静岡市の難波市長は、今後も被災地の支援に全力で取り組む考えを示しました。また、難波市長は、リニア問題をめぐる議論の進捗状況について、静岡市の認識を説明しました。
リニア問題について川勝知事は、年頭の会見で、進捗状況について問われると…。
(川勝知事)
「南アルプスが守られたという意味では、1回下山したということではないか。登らないで下山した」
2023年は、「1合目より進んだ」としていたリニアの議論は、「1回下山した」と話していました。この発言に対し、難波市長は、田代ダム案の実現へ見通しが立った水問題については9合目以上、南アルプスの生態系問題については8合目であるとして、全体の議論は「詰めの段階」であると認識を示しました。
(静岡市 難波市長)
「全体の進捗は最後の詰めの段階にある。ただし、最後の詰めである環境保全についての適切な配慮はきっちりやらないといけない」
(記者)「知事は一度下山したと話していたが」
(静岡市 難波市長)
「全然違う評価をしている人がいるが、あまり議論しても生産性がないので、そこには立ち入らない」
一方、2023年12月、国交省は、JR東海が提出したリニア新幹線の開業時期を「2027年以降」に変更する工事計画案を認可。これを受けて川勝知事は、「2027年の開業はなくなった」として、全線開業予定の「2037年までに問題解決を図りたい」と話していました。
これに対し難波市長は、「開業時期とリニア問題解決は、別問題」として、「2037年まで解決の先延ばしは、行政責任者としてありえない 」と批判しました。
(静岡市 難波市長)
「開業時期の問題と行政手続きがどのくらいの期間でやられるのかは別問題、つまり速やかにやらないといけない。初めから行政手続きに対する判断をプラス10年先でもいいとするのは行政の責任者としてありえない」
リニア問題をめぐる川勝知事と難波市長の溝は、埋まるのか。2024年も議論の行方に注目です。
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