派閥の政治資金をめぐる事件をうけて、16日、自民党は「政治刷新本部」を開き県内の議員も出席しました。「安倍派の解散」を主張したという静岡県内の議員にその真意を直撃しました。
17日、地元・菊川市で商工会議所の賀詞交歓会に出席したのは、比例東海ブロック選出で静岡3区の宮沢博行衆院議員です。
(宮沢博行 衆院議員)
「安倍派の解散も含めてしっかりとやっていきたいと思います」
地元の関係者に、派閥や政治資金をめぐる問題について、あらためてお詫びしました。
(宮沢博行 衆院議員)
「しゃべるな、しゃべるな、これですよ!」
宮沢議員は、所属する安倍派の裏金問題をめぐり、12月、派閥から収支報告書に記載しないよう指示があったことや、かん口令が敷かれたことを明らかにしました。
16日、宮沢議員は派閥や政治資金の問題について話し合う、自民党の「政治刷新本部」の会合に出席するため東京へ。
(宮沢博行 衆院議員)
「もうしゃべるしかないと」
自身が“裏金化”した金額は、3年間で132万円にのぼるという宮沢議員。このうち、114万円については、派閥に納めず手元に残す、いわゆる“中抜き”をしていたことを明らかにしています。
(宮沢博行 衆院議員)
「ノルマ分だけ納め手元に残すという方法もあると認識してたんですけど、本当に慣習の中でやってしまったんです」
“裏金”に加え“中抜き”までしていた宮沢議員。
政治刷新本部の会合は、自民党に所属する全ての議員が参加できるかたちで行われました。
(岸田首相)
「国民の信頼を回復するために、 そして日本の民主主義を守るた めに我々自民党は変わらなけれ ばなりません」
総理のあいさつが終わると、記者団は会議室から出され、刷新本部の会合は約3時間にわたり非公開で行われました。会合では派閥の役割を訴える声があがった一方、宮沢議員は・・・
(宮沢博行 衆院議員)
「清和政策研究会(安倍派)は解散すべきである、そのような意見を申し上げました。私は派閥に残り派閥を介錯する、安倍派を介錯するそういう覚悟も述べさせていただきました」
安倍派の解散を提案したことを明らかにしましたが、自ら派閥を退会することはしないということです。
一方、県内選出で二階派に所属する若林洋平参院議員は・・・
(若林洋平 参院議員)
「派閥のこともあるが、一度クリアにして、謝罪ないし説明ないし、問題になった議員が個人の責任としてしっかりと説明をすべき」
これまで、派閥の解消に慎重だった政権幹部からも「世論の批判が強く、派閥を解消しないと自民党自体がもたない」といった声が上がるなど、危機感が広がり始めています。
16日夜、地元に戻った宮沢議員に“安倍派の解散”を提案した真意を直撃すると…
(宮沢博行 衆院議員)
「今回のことは清和政策研究会(安倍派)が悪いんですよ。私たちが悪いんです。だから責任取らなきゃいけないんです。もうそれ、そこですよ。そうしないと国民の皆さんにはご理解をいただけないと思います」
「政治刷新本部」の会合で具体的な改革案を示したといいます。
(宮沢博行 衆院議員)
「派閥とか議員グループに対して党の規律規約に基づいて、解散命令を出せる制度を作った方がいいと思います。議員グループも重大な法令違反をした場合は解散も含む命令を出すべきだ」
自民党の派閥の政治資金をめぐる事件への対応をめぐっては、岸田総理大臣が周辺に対し「派閥のパーティーについては禁止する」との考えを伝えたということです。
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