インターネットにうその広告を出したなどとして再逮捕されたレッカー業を営む男が、19日 朝、送検されました。被害者は170人以上、私たちはこの業者から高額な費用を請求された男性を取材していました。“悪質レッカー業者”の実態とは。
不正競争防止法違反と詐欺の疑いで、19日朝に送検されたのは、静岡・藤枝市の会社役員の男(40)です。
男は2022年6月から約1年間、自身が代表を務める会社のレッカー業務で、ウェブサイト上に客に事実を誤認させるような広告を表示した疑いなどがもたれています。ウェブサイト上では「国家資格のある整備士が対応する」と記載していたにもかかわらず、実際に整備士の資格を持った従業員は1人もいなかったということです。また、多くの人に会社のホームページを見てもらえるよう、検索ワードに関連した広告が検索結果の上位に表示される「リスティング広告」を活用していたとみられています。
高額な場合は、1回の作業で約40万円を請求し、約1年間で2800万円の売り上げがあったということです。
男は無許可でレッカー業を営んだとして、道路運送法違反や詐欺などの罪ですでに起訴されています。
藤枝市の別のレッカー業者は、悪質な経営実態に憤りをあらわにしました。
(ロータスロードサービス静岡 藤枝店 伊藤 雅祥さん)
「同じ藤枝という地域で起こっているのは非常に残念。困っているお客様を助けるのが我々の使命なので。10万円が実費で払われるのはありえない。通常は任意保険のロードサービスがついているので、その範囲内でやってもらえればお客様は料金がかからない」
私たちは以前、男の会社のロードサービスを利用し、高額な料金を請求されたという男性を取材していました。
(トラブルにあった人)
「全然話がかみ合わなかったり、半分脅しみたいなことを言われて。怒りを覚えた」
車のバッテリーがあがってしまい、ロードサービスを利用しようとスマホの検索で上位に表示された業者に電話を掛けたという男性。サイトには「バッテリー修理」として料金が「8800円から」と書かれていて、電話で業者を呼び出す際にも、料金の確認をしていました。しかし、業者が現場に到着しボンネットを開けると、驚くべき値段を提示されたと言います。
(トラブルにあった人)
「すぐ見積もりを出しますという話になり、お願いしますということになった。作業の前に見積もりを出してもらった方がいいかなと思ったら、高額な値段だったので驚いた」
提示された金額はなんと10万円以上。男性が抗議すると、業者はサイト上に料金に関する利用規約が明記されていると説明されたといいます。話し合いをしている時間も、作業代として料金に上乗せされしまいました。
車の復旧作業はされなかったものの、業者から「お金を払わなければ帰らない」と言われ、結局、男性は約17万円の料金を払ってしまいました。
(トラブルにあった人)
「自分の確認不足もあったなと思う」「こういう悪徳な業務をすることで被害を被る人が大勢いる中で、そういうことは裁かれるべき、被害をあわれた方にはお金を返してほしい」
トラブルに合った男性は、業者が摘発されたことを受けて「法外な金額を請求してお金と時間さえも奪う行為は許されない行為だ」と話しています。