6年前に食道がんで亡くなった男性の遺族が、がんの疑いを見落としたとして県立静岡がんセンターなどに損害賠償を求めていた裁判で、25日、静岡地裁は県などに約5600万円の支払いを命じました。
訴えていたのは6年前に食道がんで亡くなった富士宮市の医師の男性(63)の遺族です。判決文によりますと、男性は県立静岡がんセンターで検査を受けた際、医師が がんの疑いを見落とし、適切な治療を受けていれば10年にわたって医師として収入を得ることができたなどとして、県などに2億円余りの損害賠償を求めていたものです。
25日の判決で静岡地裁は「適切な治療を受けていれば男性はあと2年ほど生存していて、医師が食道がんの見落としに気づかず、死期をはやめさせた過失は重大である」などとして、県などに約5600万円の支払いを命じました。
この判決をうけ、原告側の弁護士は「過失に対する判断に不十分な点があり控訴する方針」だとしていて、県立静岡がんセンターは「判決内容を確認して今後の対応を検討する」とコメントしています。