自民党の裏金問題をめぐり、安倍派の塩谷立座長が28日、自身のキックバックの不記載は234万円だったと明らかにした上で、議員辞職や離党はしない考えを示しました。
(安倍派 塩谷 立 座長)
「心から深く深くお詫びを申し上げる次第です。本当に申し訳ございませんでした」
比例東海ブロック選出で静岡8区の安倍派・塩谷立座長はきのう、浜松市中央区の事務所で会見を開き、安倍派の政治資金パーティの”裏金問題”について説明しました。
(安倍派 塩谷 立 座長)
Q:自身の不記載について
「中抜きはない。合計 5年間で234万円。派閥のパーティーはノルマだけ売るということで、自分としては全く還付を受けていないと考えていた。事務所の経費、交通費など政治活動に使った。収支報告書は領収書があるので修正して出したい」
キックバックの収支報告書への不記載を認め、政治不信を招いたと謝罪しました。
安倍派の政治資金パーティーをめぐる問題では、不記載が4800万円で逮捕された池田佳隆議員のほか、大野泰正議員や谷川弥一議員の合わせて3人が起訴されています。さらに二階派や岸田派でも不記載が判明し、会計責任者が逮捕されました。
通常国会でも、政治とカネの問題への対策として「政治資金規正法」の改正が最大の焦点となるなど、深刻な政治不信を招いた”裏金”問題。
28日、浜松市では…
(川口 卓也 記者)
「塩谷座長が到着しました。これから地元の後援会に説明するものとみられます」
塩谷座長が、地元後援会60人ほどを集めて説明会を開催。出席者によりますと、自身も不記載があったことや、その経緯を説明したといいます。
(説明会の出席者)
「お詫びの言葉はあった。めげているかと思ったけど、そんなこと全然なない、元気、次の選挙も出るって言っていましたから」
Q:厳しい声もあったんですか?
「ありましたね。派閥を解消すればいいだけではないと。皆さん、納得した様子でした」
さらにその足で記者会見の場へ…。”裏金問題”となった経緯について説明しました。
(安倍派 塩谷 立 座長)
「不記載について還付金などを、いつだれが指導して始まったのか、残念ながら明確ではありません。政治家として、そういう点は深く反省をしておりますが、現実的に20数年間は、慣行的に行われてきたのは事実」
キックバックの制度については…
(安倍派 塩谷 立 座長)
「還付金についてはある程度承知はしておりました。若手中堅が自分でパーティーを開けない。それを清和会のパーティーを活用して、自分の政治活動に使う。この考え方は間違っていないと思う」
一方、それが不記載となっていた、”裏金問題”については…
(安倍派 塩谷 立 座長)
「還付金は若手議員にいいシステムという認識があったが、不記載や中抜きは全く認識していなかった」
一方、党内から安倍派幹部に対して政治責任を求める声が出ていることについて、議員辞職や離党はせず、次期選挙にも出馬する意思があると述べました。
(安倍派 塩谷 立 座長)
「処分を受けたり辞めることで一件落着は違うだろう。それで幕引きみたいなことをやる人が考えたのかわかりませんけど、もっと大きな問題になっていることを認識することが必要。じゃあ二階派、岸田派はどうするのかという話になる。自民党をとりまく政治と金の問題をどうするかが一番大事」
地元で説明を行った塩谷座長。一方で、その内容に地元市民は…
(市民)
Q:不記載を知らなかったという説明は?
「完全には信用できないですね。これから正していくって言っても、どうやっていくのか」
「政治家は言葉の使い方もうまく逃げるからね。自民党の体質ですよ。これはずっと直らないのでは」
政治とカネで失墜した信頼を回復できるのか、今後も、派閥の座長、そして国会議員としての責任が問われます。
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