静岡市が東静岡駅北口に整備を目指す大型アリーナについて、2024年度の当初予算案に、基本計画を策定するための経費を計上する方針を固め、6日にも地元住民に説明する意向であることがわかりました。大きく前進するアリーナ構想の行方は?
5日、静岡ロータリークラブの会合で講演した静岡市の難波市長。
(静岡市 難波市長)
「アリーナは収益施設であることをぜひご記憶いただければ。アリーナがあることは若者たちにとって魅力ある街になることは間違いない。色々なスタートがあるので、新しい仕事ができてくる。だからどうしても人口減少対策の一つとして、これをやっていかないといけない」
大型アリーナの整備は人口減少対策にもつながるとして、事業の必要性を訴えました。
静岡市は、JR東静岡駅北口にスポーツやコンサートなどで利用できる5000人から1万人規模のアリーナを整備する計画を示しています。一方、地元住民からは、周辺の交通渋滞などを懸念する声があがっていました。
これをうけ1月、難波市長は地元住民との意見交換会を開き、アリーナの整備と東静岡駅周辺のまちづくりを一体で進めると説明。また、交通渋滞対策として、アリーナと静岡鉄道の長沼駅をつなぐ、ペデストリアンデッキを整備する構想などを明らかにし、住民に理解を求めていました。
アリーナ構想について、初めて住民に直接説明した難波市長は…
(静岡市 難波市長)
「前回説明させていただいた時に、いろいろな課題の指摘がありましたので、その懸念に対して、市の考え方をしっかり説明する。どうしてもこれは地元で困るという部分は、しっかり受け止める必要がある。具体的な実行ができるという判断ができれば、前に進める」
アリーナ整備に関する予算を計上するかどうか、住民と対話を続ける姿勢を示していました。
(岩崎記者)
「先週に続いて、地元住民との意見交換のため難波市長が公民館の中へ入っていきます。アリーナ整備をめぐり進展はあるのでしょうか」
こうした中、4日に難波市長は、2週連続で地元住民と意見交換を行いました。難波市長は、商業施設近くの横断歩道を廃止して車両の流れを円滑にするなど、交通渋滞対策を説明したほか、アリーナ整備を念頭にした、まちづくりの協議会を設置する方針が決まったということです。
終了後、難波市長は、アリーナ整備について「地元住民から一定の理解が得られた」と手ごたえを口にしました。
(静岡市 難波市長)
「まちづくりをしようとすると、どうしても投資が必要。あるいはきっかけが必要。これはすごくいいきっかけ。(アリーナ整備は)投資です。これをやらない手はないという話をして、一定の理解は得られた。おかしいという話はなかった」
(長沼三区自治会 杉山輝雄 会長)
「完全に100%納得したというわけではないとは思うが、かなりの部分で納得して進んできたのではないか」
そして、5日、静岡市が来年度の当初予算案に基本計画を策定するための経費、約3000万円を計上する方針を固め、6日にも地元住民に説明する意向であることが関係者への取材でわかりました。
長年、議論が続いていた東静岡のアリーナ構想は、大きく前進することになります。
(スタジオ解説)
東静岡駅北口のアリーナ整備をめぐる難波市長の動きについて、あらためて整理します。
難波市長は、地元住民との意見交換会で東静岡駅周辺を県立図書館や商業施設などと“一体となったまちづくり”を進めていくことや、住民が懸念する周辺道路の交通渋滞については、静岡鉄道の長沼駅とつなぐペデストリアンデッキの設置を検討していることを明らかにしました。
一方、アリーナ整備をめぐるさまざまな対策について、自民党会派の一部が市議会への説明がないことを問題視。2月2日に急遽、難波市長が全ての市議に向けて、直接説明する事態となりました。
そして、4日、難波市長は、住民から懸念の声があがっている周辺道路の渋滞に対して、●商業施設近くの横断歩道を廃止、●市有地を臨時駐車場として利用、●商業施設の駐車場について混雑を緩和させるための対策を施設側と協議することなどを提案し、住民側も理解を示しました。
長年、議論が続いていた大型アリーナ構想は大きく前進することになります。
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