静岡駅前のデパートにある水族館が今月から始めたある全国初の試み。スタートして1週間ですが、早速、大きな反響があるようです。
静岡駅の目の前にある松坂屋静岡店。その7階に2022年オープンしたのが全国でも珍しい“百貨店の中にある水族館”「スマートアクアリウム静岡」です。「暮らしに寄り添う」をコンセプトにカクレクマノミやチンアナゴなど約150種類2500匹を展示していますがここで今、全国初となる取り組みが行われています。それは…!
(入場説明の様子)
「ポストプライシングを実施していて、お客様自身で値段を決めていただいて出口で清算していただきます」
なんと、来場者が観覧した後に、自分で入館料を決めて支払うことができる「ポストプライシング」と呼ばれる料金制度を導入したのです。
(スマートアクアリウム 小坂 直也さん)
「お客様の中で1400円の入館料が高いと感じたり、デパートの中の水族館なんてと思う人もいると伺っていたのでまずは入り口を広く開けて入っていただいてから金額を決めていただく」「展示内容は価値があると感じているのでまずは来ていただかないと」
通常の入館料は中学生以上が1400円、小学生が800円、3歳以上の子どもが500円となっていますが、2月と3月の平日のみこの「ポストプライシング」により満足度に応じた料金を自分で決めることができます。そのため、もしも「サービスが良くない」と感じたら料金をまったく支払わないこともできるのです。
スタートから1週間。お客さんは、いくらぐらい支払っているのでしょうか。多くの方が500円から1000円の間ということですが、中には、通常料金よりも高い2000円を支払った人もいたといいます。実際に来場した人からはポストプライシングが「初めて利用するきっかけになった」という声が多くあがりました
(入館者・40代)
「(水族館が)できたと聞いて気になっていて行ってみたいなと思っていたんですけどこの機会に行ってみようかなと思って」
(入館者・20代)
「来やすいですね、自分で決められるので。決まっていると1400円だと高いかなという人いると思うので」「めちゃくちゃ良かったです普通に休日に1400円でも来たいと思いました」
水族館にとっても今回の取り組みは予想を上回る反響となったようです。
(スマートアクアリウム 小坂 直也さん)
「思ったよりお越しいただいて平日の入館者数は多い日だと4倍以上来ていただくこともある」「冬場は水族館業界が閑散期で少なかったがポストプライシングをすることでたくさんお客様が見られているので嬉しく思っている」
今回、来場者にはなぜその料金にしたかなどのアンケートを実施していてそれによりこれまで知ることができなかった顧客のニーズを掴みやすくなるという効果も出ています。
(スマートアクアリウム 小坂 直也さん)
「アンケートをお客様にたくさん書いていただいてお客様の声が直に届くようになった。より必要とされていることを還元できる」「情報はいただいていてそれをどうするかは私たち次第なので、なんとかお客様が満足できるように還元していきたい」
新たな来場者を獲得するため思い切ったサービスに積極的に挑戦する“百貨店の中にある水族館”。今回の取り組みが、今後のさらなる進化につながりそうです。
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