8回目となる袴田さんの再審=やり直しの裁判が14日に開かれ、弁護団は「事件直後から続いた違法な取り調べによる自白の強要」が、犯行着衣とされた「5点の衣類」のねつ造につながったと主張しました。
(宮下 楽 記者)
「袴田巌さんの弁護団が、8回目の公判に向けて静岡地裁へと入っていきます。その先頭には、先週91歳の誕生日を迎えた、姉ひで子さんの姿があります」
1966年、旧清水市で一家4人が殺害された事件で、死刑が確定した袴田巌さんのやり直しの裁判。この再審をめぐっては、検察側が袴田さんの有罪を主張する一方で、弁護団側は「怨恨による複数人の犯行」などと無罪を訴えています。
8回目となった14日の公判で、弁護団は、被害者宅への侵入・脱出経路や奪い取った金品に関する証拠が、警察によるねつ造であると主張しました。また、警察が、事件直後から自白の強要によってこれらの証拠を次々と作り出した結果、犯行着衣とされた「5点の衣類」のねつ造が生まれたと述べました。
これに対し、検察側は取り調べの際の「録音テープ」を再生し、袴田さんが警察に誘導されることなく犯行を供述したことなどを主張しました。
15日の公判では、裁判で最大の焦点とされる「5点の衣類」に付着した血痕の色の問題について、検察側が主張する方針です。
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