リニア新幹線の工事をめぐり、静岡市の難波市長が16日に会見を開き、「国の有識者会議」が環境保全に関する報告書で示した内容について「整理が十分ではない部分がある」と市の見解を示しました。
リニア新幹線に関しては「大井川の水問題」「南アルプスの環境保全」「トンネル工事で出た残土置き場」の3つの課題があり、県は環境への影響を懸念して静岡工区の着工を認めていません。
県が2019年に取りまとめた47項目の課題について、約3年半にわたって議論してきた国の有識者会議は、2023年12月「南アルプスの環境保全」についてまとめた報告書を国交省に提出しました。
国交省・JR東海ともに「47項目の課題については議論を終えた」という認識を示す一方で、県は…
(川勝知事)
「(国交省)鉄道局長が全部終わったと言ったが、それは正確ではない」
47項目の課題のうち、解決したのは水問題の一部のみで「30項目は解決していない」と反発していました。
こうした中、静岡市の難波市長は、16日会見を開き、国の有識者会議が報告書で示していた、”工事を進めながら対策の見直しを行う”手法について「想定外の状況になった場合の整理が十分ではない」と指摘しました。
(静岡市 難波市長)
「施工前にもう少ししっかりと保全措置を考えて、実際にモニタリングして、どういう影響が出たときに修正していくのか、ちゃんとやらないといけない。そのあたりが一番大きな課題だと思う」
静岡市は、16日 午後から行われているリニアに関する協議会で、工事による生態系への影響について専門家を交えて議論していて、今後、市の最終的な見解をまとめる方針です。
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