静岡県は、能登半島地震で孤立集落が発生したことを受け、伊豆半島の南部でも孤立予想集落が存在することから、関係機関と合同で19日に現地調査を行いました。石川県内で最大震度7の揺れを記録した能登半島地震。半島という地形のため、アクセスするルートは限られ、さらに、その多くが亀裂や土砂崩れなどにより寸断されたため、救援や支援がすぐに入ることができず、孤立する集落が多く発生しました。この能登半島と似たような環境にあるのが伊豆半島です。特に南部の賀茂地域には、災害発生時に孤立が予想される集落が44か所もあるとして、県を中心に現地確認調査が実施されることになりました。
19日に調査が行われたのは、下田市の山あいに位置する北湯ヶ野地区で、県や市の担当者のほか、自衛隊や消防・警察・海上保安庁など防災関係機関が参加しました。
(県の担当者)
「調査は3月4日までだが、44か所あるので9日間で回りたい」
調査の内容は、集落周辺の地形などの様子や臨時ヘリポートの候補地、さらに、災害発生時に応援部隊の活動拠点となる場所など集落としての防災機能の確認です。県では今後も発災時に効率的な救助救援体制が整えられるよう現地調査などを行っていくとしています。
【スタジオ解説】
ここからは、大規模地震が発生した際に県内で孤立が予想される集落とそこで必要な備えについてまとめていきます。まず「孤立集落」とは「集落への全てのアクセス道路が土砂災害のおそれがある場所に隣接していて、地震などで道路が寸断され、外部とのアクセスが困難となる集落」です。
そして県が、孤立が予想される集落をまとめた結果がこちらです。
2023年3月時点で、県内では397か所と予想されています。内訳を見てみると、最も多いのが中部で162か所、続いて東部が109か所、西部は82か所、VTRにもありました伊豆半島・南部の賀茂地域は44か所となっていて、市町別でみると、中山間地域が多い静岡市・浜松市だけで全体の約37%を占めています。そして、孤立が予想される集落に重要となるのが備蓄の準備です。孤立が解消されるまでの3日~1週間分の水や食料、断水の可能性も考え、簡易トイレなどを備蓄しておくことも重要です。県の担当者は「いざという時に自分の命を守れるよう、日ごろから防災への意識を高めほしい」と話しています。
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