静岡・富士市にはモデルとして活躍するダウン症の女性がいます。なんと、彼女は世界が注目するパリコレクションに出演することが決定したのです。夢だったという海外のファッションショー、衣装にも注目です!
(福岡放送 中村アナウンサー)
「成人式のド派手衣装で知られるこちらのみやび。パリコレクションに出場にむけ最終確認が行われています」
鮮やかな赤の反物にゴールドの帯をあしらったドレス。襟元には、帯にワイヤーを入れ、動きをだしています。ひときわ目をひくドレスを作ったのは、福岡県北九州市の貸衣裳店「みやび」のオーナーで、和装デザイナーの池田 雅さんです。
(みやび 池田 雅 さん)
「菜桜ちゃん自体を“おひなさま”のような“フランス人形”のような感じにしたくて」
衣装の依頼をしたのは、パリコレクションに挑戦する富士市の齊藤菜桜さん19歳です。
(菜桜さん)
「かわいいね!首のこれとリボンがかわいいと思う。パリコレ行きます!」
菜桜さんは生まれてすぐ、ダウン症と診断されました。いくつもの合併症があるため、小さいころから40回以上の手術を乗り越えてきました。今は福祉作業所で働きながら、ファッションモデルとしても活躍しています。
モデルの活動を始めたのは5年前。「いつか世界の舞台に立ちたい」とウォーキングの練習などを重ね、SNSで発信してきました。そして、今回、多様性の時代に「ダウン症モデルも活躍できることを世界に発信しよう」と、SDGsを推進する団体の代表、マック大久保さんからの推薦で、パリコレにゲストとして出演することが決まったのです。
(菜桜さんの母 由美さん)
「やったーって。『パリコレ』といっても、彼女はパリがどこにあるかも分からないんですけど、海外のファッションショーに出る、それが夢だったのですごく喜んでいました。障害があるので夢をひとりでかなえられない。私も一緒にその夢に携わって、それがすごく楽しみ。 彼女も彼女なりに一生懸命、ひとつずつクリアしていって、 今がある」
そんな時でした。2023年、ニューヨークのファッションショーに登場した「みやび」の衣装をテレビで目にした菜桜さん・・・。自分らしいドレスを作ってほしいと依頼しました。そして完成した、和と洋を組みあせた華やかなドレス。
(菜桜さん)
「うれしいです」
(菜桜さんの母 由美さん)
「すごくきれいです。先ほどまでいた自分の娘じゃないみたいで」
先週、本番を想定し、ランウェイでウォーキングを披露しました。
(福岡放送 中村アナウンサー)
「きらびやかな衣装、そして笑顔が輝いています。堂々としたウォーキングです」
(菜桜さんの母 由美さん)
「今までがんばったのが…。みやびさんのおかげだね、パリ楽しみだね」
(菜桜さん)
「笑顔で歩きます!」
パリコレの出演は現地時間の3月2日です。初めての海外へ。夢の舞台にむかってモデル・菜桜さんの可能性が広がります。
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