2月、国土交通省は富士山の噴火に備え、火山灰が降り積もった道を車で走る体験会を開きました。もしもの時、消防車などの緊急車両は走行できるのでしょうか?
(坂井 太一 記者)
「会場は富士宮市の住宅街から離れた所。あちらに見える坂道に火山灰を敷き詰め車で走る体験会を行っています」
この体験会には自治体や建設業、消防などからおよそ80人が参加。車両もさまざまで…重機や消防車など33台が集まりました。
(国交省 富士砂防事務所 土屋 郁夫 副所長)
「(噴火したら)火山灰が道路に積もってしまう こともあります。関係機関は調査や避難などいろいろな活動をするので、どういった車両が走れるか体験していただくと今後の防災体制の参考になるかと思いまして」
坂道の勾配は12%で、1m進むごとに12センチ高くなる坂道です。ここに、富士山が噴火した際に富士宮市で積もると想定される、厚さ10センチの火山灰が敷かれました。
手前の坂道には富士山の比較的荒い火山灰。奥の坂道には桜島の細かい火山灰を敷き詰めました。
(坂井 太一 記者)
「前輪が空転しています。なかなか前に…中々前に進みませんね」
4WDと呼ばれる「四輪駆動車」は比較的、上ることができていましたが…多くの一般的な自動車で採用されている「二輪駆動車」の多くは坂に差し掛かるとすぐに進むことができなくなっていました。
(高速道路の担当)
「普通の砂よりも沈む、アクセルを踏むたびに沈み、全然前に行けない」
(富士宮市消防本部)
「タイヤが空回りする、普通の坂道にはないような振動を感じた。これがもし二輪駆動車だったら 走行は厳しいなと感じた」
体験会を行った国交省は「火山灰が積もったら防災対応や避難誘導などで様々な車両が出動することが想定されるので、今回の体験会を災害時の対応計画の参考にしてほしい」と話しています。
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