災害時を想定し、無人ヘリで物資を静岡市から伊豆市まで運ぶ、次世代エアモビリティの実証実験が行われました、駿河湾を約30キロ横断するこの実験。気になるその結果は…。
3月8日、青空が広がった静岡県内。そんな中、行われたのが…次世代エアモビリティの実証実験です。
(横山 明浩 記者)
「静岡市清水区です。物資を積んだ無人ヘリが土肥に向けて飛び立っていきました」
この実験は、ドローンや空飛ぶクルマなど次世代エアモビリティ事業を進める県が、ヤマハ発動機などと共同で実施したもので、今回は伊豆半島で災害が発生したという想定で、緊急物資を届ける実験が行われました。
能登半島地震の物資輸送でも使用されたこの無人ヘリ。災害時は、道路が寸断されるなどし、車が通れない状況になると、物資を搬入することができないため「無人ヘリ」の活躍が期待されているのです。
無人ヘリで物資を運ぶのは、静岡市清水区三保から伊豆市土肥までの駿河湾を横断する約30キロの飛行距離。無人ヘリは、袋井市にあるヤマハ発動機のオペレーションルームから遠隔で操作され、ヘリに設置されたカメラの映像は、県庁にもリアルタイムで送られ、物資の輸送状況や被災状況などを確認することができます。
県の担当者も固唾を飲んで、実験の様子を見守ります。
(県の担当者)
「どのくらい地面に接近して、物資を落とすのか?」
(ヤマハ発動機の担当者)
「高度3~5メートルくらい。今回は災害時で着陸できないという想定」
順調に駿河湾の上空を進んでいく無人ヘリ。そして、三保を飛び立ってから約30分…。
(坂井 太一 記者)
「こちらは伊豆市土肥です。無人ヘリが見えてきました。物資を運んでいます。ゆっくりと陸に近づいてきました。少しずつ高度を下げています」
そして…遠隔操作で物資が機体から切り離され、無事に到着。物資の中身は、カンパンや携帯トイレ。落下後の状態も問題ありませんでした。
県内でも災害時には、特に伊豆半島南部で多くの“孤立地区”が発生することが懸念されていて、県は、無人ヘリやドローンが“孤立地域”への有効な配送手段になると期待しています。
(県経済産業部 新産業集積課 田中 浩志 主事)
「静岡県も南海トラフ地震の対応を求められている。もし地震が起きた際には、能登半島のような状態に伊豆半島がなる可能性があるので、今回の実証実験がいきるのではないかなと思う」
県は、この実験を検証して、次世代エアモビリティの実用化に向けた取り組みを進めていくということです。
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