静岡・川勝知事がきのう女子サッカークラブとの面会で「磐田はもともと浜松より文化が高い」などと発言していたことがわかりました。不適切な発言がたびたび波紋を呼んでいる川勝知事。またも飛び出した不用意な発言は物議を醸しそうです。
13日、磐田市を拠点に活動する女子サッカーなでしこリーグ1部の静岡SSUボニータから表敬訪問をうけた川勝知事。面会の場で知事は「磐田って所は文化が高い。浜松よりもともと高かった」と浜松を引き合いに出して磐田の魅力を語ったということです。
13日、この発言について問われた川勝知事は。
(記者)
「磐田は文化が高い。浜松よりもともと高かったという発言があったが。」
( 川勝知事)
「これは事実でしょ」「それぞれの一番の中心地に国分寺を作った」「遠州では磐田だった」「浜松がどうだこうだではなく、かつて磐田が遠州の中心地域の一つだったということを言った」
「歴史的な事実を言っただけ」と説明しました。これまでも不用意な発言でたびたび物議を醸してきた川勝知事。3年前にも…
(川勝知事)
「あちら(御殿場市)はコシヒカリしかない。だから飯だけ食ってそれで農業だと思っている」
御殿場市を引き合いに出したいわゆる“コシヒカリ発言”が波紋を広げ、県議会で初めて辞職勧告決議案が可決されました。
さらに、その後の対応が問題視され2023年、知事に対して50年ぶりに不信任案が提出される事態に…このとき、川勝知事は「また不適切な発言をすれば辞職する覚悟」と話していました。
(川勝知事)
「(これまで)間違いをすることはあったと思うが、今後間違いをして人様に迷惑をかければ、辞職する」
こうした中、またも飛び出した知事の不用意な発言に浜松市民は。
(浜松市民)
「前もいろいろあったがもうちょっと大人になってほしい。磐田もいいところだし浜松もいいところだし静岡県はいいところ」
(浜松市民)
「トップが言うことじゃないが別に気にしてない」「ちょっと軽弾みなところもあると思うがご愛嬌じゃないですか」
さらに、女子サッカークラブとの面会で、川勝知事は藤枝東高校について「サッカーをするために入ってきている。勉強よりもボールを蹴ることが一番重要」と発言。
また「スポーツマンシップが身についている。それは、男の子はお母さんに育てられるから」と自論を述べたということです。
知事はこれらの発言についても「特段、他意はない」として次のように釈明しました。
(川勝知事)
「サッカー文化を大事にしている高校だと強調するためにそういう発言になった」「サッカーを大事にしている学校であるということの別表現」「文武両道の学校ということで藤枝東をとらえております」
藤枝東高校をめぐる発言についても「問題はない」との認識を示した知事に対し、藤枝市民は。
(藤枝市民)
「本当に失礼だと思います」「藤枝全体に言われているような気がする。本当にやめてもらいたい」
(藤枝市民)
「新聞を見てびっくりした。またかという感じで」「がんばっている子に気の毒」
一方、知事の発言をうけ県議会の自民党会派は…
(自民改革会議 増田 享大 代表)
「特定の地域や県立公立高校を名指しして揶揄したとあれば問題かなという思いはしていて、当事者がどう思っているのかも含めて 今 調査している」「2月の定例会で総務委員会で有事の行動に対しての決議を全会一致でしたばかりなので、また こういったことが騒動になること自体、またか という思いだが、しっかり状況分析して対応を考えていきたい」
繰り返される川勝知事の不用意な発言。自民党会派は、事実関係を確認したうえ、今後の対応を検討する方針です。
【スタジオ解説】
これまでも不適切な発言がたびたび物議を醸してきた川勝知事ですが、14日の発言をあらためて整理します。
「磐田はもともと浜松より文化が高い」この発言について、川勝知事は、遠州の中心が磐田だったという「歴史的な事実を言っただけ」と説明しています。磐田の魅力を伝えようと浜松を引き合いに出したこの発言ですが、振り返れば3年前に波紋を広げた あの「コシヒカリ発言」と似ている点もあります。「御殿場にはコシヒカリしかない」という発言も御殿場を引き合いに出して浜松の魅力を伝えようとした際に飛び出した発言でした。
13日は、ほかにも不用意な発言が相次ぎました。サッカーの名門校として知られる藤枝東高校について、「サッカーをするために入ってきている。勉強よりもボールを蹴ることが一番重要」と発言。さらに「礼儀正しい、潔い、スポーツマンシップが身に付いている。それは、男の子は お母さんに育てられるから」と発言しました。子育てが女性に偏る「ジェンダーギャップ」が指摘されるなか、子育ては母親の役割と受け止められかねない発言は物議を醸しそうです。
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