静岡県の川勝知事が13日「磐田はもともと浜松より文化が高い」などと発言したことを受けて18日、県議会の自民党会派は「相手を見下した表現」と厳しく批判しました。またも飛び出した知事の不用意な発言が、物議を醸しています。
（自民改革会議 河原崎 聖 県議）
「知事が来客や聴衆などへのリップサービスのつもりで発言しているものが、人を見下したかたちの表現になる。そんな簡単なことがわからないのでしょうか」
18日の県議会で、自身の不用意発言について厳しい指摘を受けた川勝知事。
問題となっているのは、女子サッカーなでしこリーグ1部の静岡SSUボニータから表敬訪問をうけた際の発言です。面会の場で、川勝知事は「磐田は文化が高い。浜松よりもともと高かった」と地域差別とも捉えられる発言が…。さらに藤枝東高校について「勉強よりもボールを蹴ることが一番重要」また「スポーツマンシップが身についている。それは、男の子はお母さんに育てられるから」と自論を述べたということです。
またも飛び出した川勝知事の“不用意な発言”。13日、発言の真意を問われた知事は…。
Q:磐田は文化が高い。浜松よりもともと高かったという発言があったが？
（静岡県 川勝知事）
「これは事実。一番の中心地に国分寺をつくった。遠州では磐田だった。浜松がどうこうではなく、かつて磐田が遠州の中心地域の一つだったということを言った」
藤枝東高校に対する発言については…
（静岡県 川勝知事）
「サッカー文化を大事にしている高校だと強調するためにそういう発言になった。文武両道の学校ということで藤枝東を捉えております」
自身の発言について「問題はない」として、謝罪しない考えを示しました。しかし、県議会の自民党会派はこの発言を問題視。藤枝東高校出身でもある河原崎聖県議が、知事を厳しく批判しました。
（自民改革会議 河原崎 聖 県議）
「あっちよりもこっちのほうが上という論法は、コシヒカリ発言と同じ。県民を分断する表現は強くいましめられたのではないですか。知事が面白い、正しいと思って発言していることの多くは、聞き手からは受け入れがたいものが多いと強く自覚する必要がある」
一方、川勝知事をめぐっては、1月4日、能登半島地震の支援について話し合う中部・北陸9県と名古屋市とのオンラインでの連絡会議に出席せず、地元メディアが主催する「賀詞交歓会」に参加していたことが問題視されていました。
18日、県議会は、知事に対して県外で大規模災害が起きた場合も責任を持った行動をするよう求める決議案を全会一致で可決しました。災害対応をめぐり、県議会から“苦言”を呈されるかたちとなった川勝知事は…。
Q:災害対応について決議がありましたが…
（静岡県 川勝知事）
「・・・」
記者の問いかけに答えることはありませんでした。
一方、自民党会派は、知事の不用意な発言について、今後、閉会中審査も視野に議論していく考えを示しました。
（自民改革会議 増田享大 代表）
「知事に対してどこまで響いているか、反省するどころかエスカレートしている感じもある。非常に残念。県民の思いを受けて行動するのが使命。そういったところで判断する」
知事の言動や発言をめぐり、またも県議会に波紋が広がっています。
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