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【2024問題】労働者の「時間外労働の上限規制」スタート…課題はサービス低下にどう対応するか(静岡)

Daiichi-TV(静岡第一テレビ) 2024年4月1日 17時29分

(鈴与カーゴネット 松山 典正 社長)

「おはようございます。きょうからドライバーの時間外の上限規制がスタートします。今まで以上にドライバーの運行管理に注意してください」

運送業・建設業・医師の職種で4月1日から始まる労働者の「時間外労働の上限規制」。慢性的な長時間労働を改善するために行われる一方で、サービスの低下といったいわゆる「2024年問題」にどう対応するかが課題となっています。

1000人のドライバーを抱える運送会社。時間外労働の規制に向け対策を進めてきたということです。

(鈴与 運輸事業推進室 福原 良太 室長)

「労働時間の見える化や残業時間の見える化を図り、日々ドライバーへの指示やお客様への要望をしている」

では、時間外労働の規制によりどのような問題が発生するのでしょうか…。

(鈴与 運輸事業推進室 福原 良太 室長)

「運転時間を短縮すると、今まで通りものが運べなくなったり、遅れてしまうことが考えられる」「ドライバーは働く時間が減ることで給料が減る懸念がある」

「荷物が届かなくなる」といった問題を解決するには荷物を出す側と受け取る側の協力も必要不可欠だといいます。

(鈴与 運輸事業推進室 福原 良太 室長)

「荷物の積み込み待ち時間は1時間半かかると運送時間が減る30分以内に積み込みや荷下ろしをしてほしい」

そのほかにもトラック以外の輸送手段を使用するといった荷主側の対応も必要になってくるということです。

一方、医療現場にも時間外労働時間の上限規制が設けられることに…。そんな中、今まで通りの治療が受けられるのでしょうか。

(静岡市立静岡病院 小野寺 知哉 病院長)

「絶対に回らないという話は静岡県内では聞いていない」

(外観・外来入口・医師)救急外来もあり、1か月でおよそ700台の救急車を受け入れているこちらの総合病院では、119人の医師が勤務していて、去年、このうちの1割が960時間以上の時間外労働があったようです。

(静岡市立静岡病院 小野寺 知哉 病院長)

「医者によるが働いていることが苦にならない医者もいる。患者さんをよくしているからよいと、働き方の効率性も見てほしいよ思うことがある」

医師の働き方改革では、大きな混乱を招かないよう当面時間外労働時間の上限が960時間の医師と、救急医療などを担当する1860時間の医師の2つの水準に大きく分けています。この規制に勤務医は…。

(静岡市立静岡病院 循環器内科 川人 充知 医師)

「緊急の呼び出しや手術を日々やっていると年間960時間内に収めるのは正直厳しい」

そんな中、川人医師には時間外労働規制に対する葛藤が。

(静岡市立静岡病院 循環器内科 川人 充知 医師)

「患者さんに治療を提供するのを労働時間で制限するのは抵抗がある医者である限り一生勉強し続けないといけない」

医師は、診療のほかにも手術に向けた準備や日々のトレーニングなどもあり労働との区別が難しい部分もあると言います。これは川人医師のある日のスケジュール。ここで注目したいのが「書類」です。

(静岡市立静岡病院 循環器内科 川人 充知 医師)

「患者さんから依頼の保険の診断書などの記載。患者さんを紹介していただいた開業医の先生への返事が大量にある」

一方で、医師不足も深刻だといいます。

(静岡市立静岡病院 小野寺 知哉 病院長)

「静岡県内の医者は非常に少ない時間外を埋めるためにドクターを増やすのは自由にできないというのがある」

今すぐ、救急外来がなくなったり、治療が受けられないということはないようですが、患者側の配慮も必要です。

(静岡市立静岡病院 小野寺 知哉 病院長)

「医療者に対して優しさをもってほしい。患者さんに余裕がないかもしれないが、医療者も労働者として働いている。」「救急は来たらみます。夜間の体制は脆弱です。おかしかったら早く受診してほしい。待たないで来てほしい」

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