(川勝知事)
「県庁はシンクタンク毎日毎日、野菜を売ったり牛の世話をしたりモノを作ったりとかと違いって基本的に頭脳・知性が高い方たち。それを磨く必要がある」
1日、静岡県庁で行われた新規採用職員に対する知事の訓示の中で出た不用意ともとれる発言。同じような発言は3年前にも…。
(川勝知事・2021年)
「あちら(御殿場市)はコシヒカリしかない。だから飯だけ食ってそれで農業だと思っている」
御殿場市を引き合いに出したいわゆる“コシヒカリ発言”です。この発言をめぐっては県議会で初めて辞職勧告決議案が可決されたほか、その後の対応が問題視され知事に対して50年ぶりに不信任案が提出される事態となりました。このとき、川勝知事は…。
(川勝知事・2023年)
「(これまで)間違いをすることはあったと思うが、今後間違いをして人様に迷惑をかければ、辞職する」
「また不適切な発言をすれば辞職する覚悟」と話したのです。しかし、その後も問題視される発言は続きます。
3月、磐田市を拠点に活動する女子サッカーなでしこリーグ1部の静岡SSUボニータから表敬訪問をうけた際に知事は「磐田は文化が高い。浜松よりもともと高かった」と浜松を引き合いに出して磐田の魅力を語りました。この発言について会見で真意を問われると…。
(川勝知事)
「これは事実でしょ。それぞれの一番の中心地に国分寺をつくった。遠州では磐田だった。浜松がどうだこうだではなく、かつて磐田が遠州の中心地域の一つだったということを言った」
「歴史的な事実を言っただけ」「誤解を招き反省している」と話した一方で「一部分が切り取られただけ」と主張しました。
(川勝知事)
「切り取りが問題だと思う。脈絡を取っていただくと、そこのところだけ取るとあれ(誤解されるが)ですが、趣旨はお分かりいただいただいた通り」
その説明からわずか1週間。1日 県庁で行われた新規採用職員に対する訓示での不用意な発言。問題部分をノーカットで聞いてみると…。
(知事)
「県庁はシンクタンク毎日毎日、野菜を売ったり牛の世話をしたりモノを作ったりとかと違いって基本的に頭脳・知性が高い方た ちそれを磨く必要がある」
その直前には県職員の心得を伝えたばかりでした。
(知事)
「公務員なので自己の危機管理を最優先にしつつ同時に人を助ける。人助けの為に何をするべきかを 考えてほしい」「心は素直でうそ偽りを言わないのが大切。上にへつらわない、下に威張らないという気持ちで言葉遣いに気を付けて頑張ってほしい」
繰り返される”知事の発言問題”に県民は…。
(30代女性)
Q.率直に聞いてどう思ったか?
「そんなこと言うの?みたいな感 じ」「知事なのに県民がいる中で優劣 をつけるのはどうかなと」「いい加減にしてほしいなと」
(80代女性)
「テレビで見ました」
Q最初聞いた時どう思ったか?
「一瞬“えっ”と思ったけれど、まただったんだと流してしまった」
元県職員で地方行政に詳しい静岡産業大学の小泉祐一郎教授は知事の表現の仕方に問題があると話しました。
(静岡産業大学 小泉 祐一郎 教授)
「知事の発言のパターンとして比較をしてしまう御殿場のときもそうですが比較をして発言してしまう所に問題があって本人はそこを問題にしていないようなんですけど聞いているほうからすると比較された人の気持ちにならないといけない」「比較してしまったこと自体も問題だが県の職員は県民と一緒になって仕事をして汗をかくところがあるので、単に知性だけではダメなのでそのところも言葉足らずだったのかなと」
この波紋はどこまで広がるのでしょうか。
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