(大村慎一 元副知事)
「私が 取り組みたいのは、県政の立て直し、その一点です。」
8日、知事選への出馬を表明した元副知事の大村慎一さん。
報道陣の取材を終えると、すぐさま“アポなし”でのあいさつ回りに出発。まずは県庁内で、県議会の各会派を回ると…3時間後には、その姿は浜松市役所に! 浜松市議会の各会派を回り、支援を求めました。
(大村 慎一 元副知事)
「東中西、地域関係なく、県一体で頑張っていきたいという思いがありますので。急な訪問にもかかわらず温かく迎えていただき…がんばります」
大村さんが動きを急加速させる裏には、知事選が5月下旬に行われる可能性が濃厚となったため。
(大村慎一 元副知事氏)
「自分で決められることではないので。仕組みとして期間が決まりますので、その中でできることを精一杯全力でやる。知名度ありませんので」
夕方には、再び静岡市に戻り、今度は静岡市議会の各会派を回りました。
大村さんの動きはとどまることを知りません。9日は東部方面へ。
この大村さんの積極的な動きを後押ししているのが、8日夜、浜松市内で行われたイベントで支援を明言した石川嘉延 前知事です。
(石川 嘉延 前知事)
「どんな方が出られるかわかりませんが、私は今のところ大村さんが一番いいのではと思っている。彼なら、今までの川勝県政とは違った県政をいい方向で展開してくれるのではないかと期待していますから、そういう意味で応援していこうと考えている」
一方、水面下での動きをみせているのが、前浜松市長の鈴木康友さん。
浜松の経済界などから出馬を求める声があがり、前向きな姿勢を示していました。
8日の大村さんによる急転直下の出馬表明に驚きを隠せない様子でしたが、9日、Daiichi-TVの取材に対し、「出馬に前向きという状況に変わりはない。国政・市長での経験を県政でいかせると思っている。大村氏が出たから引くということはない。政治家なので、決断すべきときがきたら決断する。2~3日のうちに決断する」と話しました。
また、鈴木康友さんを長年支援してきたのは、自動車メーカー・スズキの鈴木修相談役ですが、今のところノーコメントを貫いています。
川勝知事が10日、辞職願を提出した場合、県知事選挙は5月9日告示、26日の投開票が濃厚とされています。
「短期決戦」の様相が強くなった県知事選挙。
県の元職員で、地方行政に詳しい静岡産業大学の小泉教授は、短期決戦の影響で、候補者の多様性が失われるのではないかと危惧しています。
(静岡産業大学 小泉 祐一郎 教授)
「(知事選が)早まったことで一番大きく影響を受けるのは新人、本当の新人ですね。準備期間が非常に短くなってしまって、手をあげにくくなってしまったということがある」
一方、与野党相乗りの候補についても調整がしきれていないとみています。
(静岡産業大学 小泉 祐一郎 教授)
「川勝知事の辞任の前からオール静岡で与野党相乗りの候補者調整を進めていこうという、そういった雰囲気があったのですが、こういった事前の調整を進める時間もすっとんでしまった。特に、自民党のような大きな会派の場合、意見を集約するのに時間がかかるので、党派としての推薦を一本化できるのか非常に悩ましいところ」
川勝知事の辞職表明から一気に活発化したポスト川勝を巡る動き。候補者の擁立や調整について今後、さらに激しいやりとりが行われそうです。
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