3月29日”2027年開業”断念を発表したリニア新幹線。トンネル工事に伴う環境への影響の懸念などから県が静岡工区の着工を認めていません。
この開業延期について「リニア問題の大きな区切り仕事がひと段落した」と辞職理由の一つであると説明した川勝知事に沿線の各県から苦情が殺到!!
(愛知県 大村 秀章 知事)
「(2027年開業を)断念させたことがなんか…一区切りだと、自分の成果だと。もうこれで私は一仕事済んだんだと…と言われるのは、違うんじゃないかと」
トンネル工事による影響を最小限に留めるためどの時点で着工を認めるのか。大きな課題となっています。
その他にも、注目される課題が県が浜松市中央区の遠州灘海浜公園に建設する新野球場です。現在、野球場の規模や構造について3つの案が示されていて6月にも基本計画が策定される見通しです。
プロ野球開催だけでなく大規模イベント誘致も視野に入れた多目的ドームが370億円。維持管理費が最も安い屋外型球場が70億円などと、大きな違いがあります。新野球場は川勝知事”肝いり”の事業でこれまで浜松市や地元経済界などがドーム型の設置を要望。川勝知事も…。
(川勝知事)
「野球に対する関心は高いと思っています」「ドームに対して、ドームとはまだ決まっていませんが、そうしたものであった方が望ましいという方向に向いてるなという感触を持っています」
しかし、ドーム型は多額の費用がかかることから県議会でも賛否が分かれています。建設費は人手不足や資材の高騰によりさらに膨れ上がるとみられ課題は山積みです。
多くの課題も残る川勝県政について1993年から16年間知事を務めた石川嘉延氏は「産業政策が足りなかった」と指摘します。
(石川 嘉延 前知事)
「どこまで静岡県の力を伸ばしていこうと考えて、いろいろ政策を練り上げて実行したかは疑わしいと思っていた」「茶業や製造業、浜松を考えれば自動車産業中心の製造業が全国比較で得意。ところが日本経済の変調の中で、それらが相当てこいれしないとうまくいかなくなっているなかで、県として機関にもとづいた政策提言が一度もなかった」
一方、元県職員で静岡産業大学の小泉祐一郎教授は、川勝知事の発信力は新しい発展を生み出したと話します。
(静岡産業大学 小泉 祐一郎 教授)
「知事の発信力もあるので、県の魅力を光を当てて世界に発信する」「これまでの知事にない取り組みをしている」「富士山はもちろん、文化の面、特に食文化だとかそういった取り組みを進めてきた」「大きな成果だと思っています」
一方で、 都市部の発展に向けた大きな投資がなかったことが課題だと話します。
(静岡産業大学 小泉 祐一郎 教授)
「都市の中心部に都市機能や業務機能の集積が弱い」「IT産業もそうだが都市型の産業集積は静岡県は取り組みが遅れている」「若い人から見ると発展している感じがない。都市の再生。新たな発展を担っていくところがこれからの静岡県政の大きな課題だと思っています」
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