自民党の派閥による裏金事件をめぐり「離党勧告」処分を受けた塩谷立衆院議員が12日、処分を不服として再審査を請求しました。塩谷議員は再審査が認められなかった場合は離党届を提出方針を明らかにしました。
12日、報道陣の取材に応じた比例東海ブロック選出で静岡8区の塩谷立衆院議員。自民党に離党勧告に対する再審査を請求したことを明らかにしました。
(塩谷 立 衆院議員)
「先ほど首相あてに再審の請求書を出しました」「事実に基づいた公正公平な、公平な審査をということを求めたいと思うのでこの取り扱いをしっかりしていただいて、再審査をお願いしたいと思っています」
派閥のパーティー券をめぐる裏金事件で、塩谷議員は収支報告書に記載のないキックバックを、過去5年で234万円受け取っていたことを明らかにしています。衆議院の政治倫理審査会では、2022年当時の安倍元首相の指示で、いったんは中止が決まったキックバックが再開された経緯について問われましたが…。
(塩谷 立 衆院議員)
「不記載のことを聞いた人は一人もいないと思っていますし、指示は受けていません。仮に具体的に不記載のことがあったら、当然直していると思います。うそをついているわけではなく、事実を話している」
政治資金収支報告書への不記載を「認識していなかった」と釈明。結局、キックバックを再開したのは誰の判断だったのか明らかにならない中、自民党の党紀委員会は今月4日、安倍派の座長を務めた塩谷議員に対し今回、最も重い「離党勧告」処分を下していました。
この処分に対し不満をあらわにした塩谷議員。党のトップである岸田首相も処分されるべきと主張していました。
(塩谷 立 衆院議員)
「派閥の長であり総裁でありそういう立場もありますし、そして政治不信を招いた党全体 の責任だということもおっしゃってるわけですから、そういう意味では何らかの形で 首相 総裁の責任というのはあると思います」
一方、安倍派の座長として支えてきた岸田首相への思いを聞かれると…。
(塩谷 立 衆院議員)
「残念な思いというかまあ、一言あるかなと」「(岸田首相から)“自民党の窮状であってやむを得ず処分するんだ”と、そういう言葉があればはい、分かりましたって言ったかもしれんね」
関係者によりますと塩谷議員は、その後、地元・浜松市の後援会や支援者と相談し、12日までに再審査を請求する方針を固めて後援会幹部らに伝えていたということです。塩谷議員は再審査を請求した理由について、「事実誤認が多々ある」こと、さらには決定に至るプロセスにも疑問があることを説明しました。
(塩谷 立 衆院議員)
「やはり一つは事実認識をしっかりしていただきたいということ」「執行部のお膳立てで党紀委員会が形式的に行われたというような状況にあって、その後、詳しい説明もありませんでしたので、そういったところが、やはり今回の審査において大変残念な状況だと思っています」
浜松の支援者からも「再審査を請求するべき」という声が多かったことを明かした上で、「真相究明がされていない中で処分が下されたことが問題」だと述べました。
(塩谷 立 衆院議員)
「誰がこれを初めて、誰が指導したかっていうところだと思います。残念ながら、私どもは全くそこは分かっていませんが、そこら辺のところがやはり解明されることが、問題の真相を解明するには必要だと思ってます」「正直に話してきましたが、その上で説明責任がされていないということは非常に残念だし」「党内でそれを認めるようなことを考えたら、全く心外であると思います」
また、「岸田首相の責任も問われるべき」とあらためて主張しました。
(塩谷 立 衆院議員)
「国民の皆さん方にも不信を招いた責任というのはありますので深くおわびを申し上げたいと思いますが」「今回の問題が党全体の問題であり、やはり責任を誰がとるか、そういった点ではそういう総裁の岸田首相の責任もとられるべきだと思っています」
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