静岡知事選に出馬を表明した大村慎一元副知事と鈴木康友前浜松市長の政党などからの推薦をめぐる戦いで、自民党県連は18日、大村氏の推薦を内定しました。
(自民党県連 増田 享大 幹事長)
「(18日の)議員総会では、17日の両候補からの政策的な聞き取りの報告をして、意見をもらった。その後の県連役員会で、大村慎一氏を役員会として推薦することを決定し、来週月曜日の自民党県連の常任選対会議、総務会で図ってもらうことが決定した」
17日、自民党県連は大村元副知事と鈴木前浜松市長のそれぞれと面談して政策を確認。18日は、県連の役員会のほか県議が議員総会を開き、面談で説明を受けた政策をもとに、知事選で推薦する候補者について議論した結果、大村氏を推薦候補者とすることを内定しました。
(自民党県連 増田 享大 幹事長)
「大村氏が東部・中部・西部・伊豆を広く全県下的な視点で県政の課題をとらえていただいている点や、地震もあったばかりで、消防庁の国民保護防災部長の経験があり、かなりこの分野に精通していて、非常に知見が高かった点などの評価があり、大村氏への声が多かった」
しかし、内定後も自民党県連の内部では地域間で意見が分かれています。
関係者によりますと、もともと大村氏推薦を強く希望していた静岡市内の自民党4支部は、この内定を受けて、19日、大村氏に推薦状を手渡す方針です。
一方、浜松市の自民党市議団では、鈴木康友氏を推薦したいという声が多く、一部の浜松市議からは「たとえ県連が大村氏を推薦しても、浜松のことを熟知している鈴木氏を応援する」などと強い姿勢を示しているのです。
自民党県連は、22日に開催する「総務会」で推薦する候補者を最終決定し、党本部へ上申する方針ですが、本当に一枚岩になれるのか最後まで調整が続きそうです。
一方、17日から他の各政党や団体でも推薦者の決定が出ています。
17日、労働組合の組織「連合静岡」では、推薦する候補者を決める「執行委員会」が開かれ、全会一致で鈴木康友さんへの推薦を決めました。理由について、角山会長は「将来のビジョンが明確に示されていた」と説明しました。
(連合静岡 角山 雅典 会長)
「私の方から鈴木康友氏を推薦していきたいと提案をして、執行委員会全会一致で鈴木氏を推薦をしていくという確認をした。両名、政策については大きな違いはないという感じだった。ただ、決定的に私自身が感じたのは、鈴木氏については県全体、静岡県を今後10年後、20年後どうしていきたいか、将来のビジョンがしっかりと明確に示されていた」
さらに「連合静岡」が推薦者を決定したことで、ともに4者協議会を構成している「国民民主党県連」や県議会の第二会派「ふじのくに県民クラブ」も鈴木康友さんへの「推薦」や「支援」を決めました。
( 国民民主党 田中 健 会長)
「連合静岡が鈴木康友氏で推薦を決定したことを受けて、私たち国民民主党県連も鈴木康友さんの応援で決定したいと思う。速やかに本部に推薦を挙げ、党本部推薦も受けたいと思う」
(ふじのくに県民クラブ 田口 章 会長)
「鈴木康友氏の方が、これまでの地方行政をやってきた中で、明確に私たちの感覚に近い」
一方、同じく4者協議会を構成する「立憲民主党県連」は18日、2人と面談を行い、鈴木康友氏の推薦を決めました。
異例ずくめの“短期決戦”となっている今回の知事選ですが、各方面で推薦者が決まりはじめ、動きがさらに活発化しています。
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