沼津市が「市有地」と主張する土地を、沼津市議が駐車場にして利益を得ていたとして、市議を提訴している問題について、7日、市議側が会見を開き「裁判中は市が土地を売ってはならない」などとする仮処分の申し立てが認められたことを明らかにしました。
この問題は、沼津市の山下富美子市議が、自宅に隣接する「市有地」を有料駐車場として貸し出していたもので、市は、山下市議が不当な利益を得ていたとして、10年間で得た利益など約204万円の返還を求める訴えを起こしています。
一方、山下市議は自身の土地だと主張し、市に対し登記の移転と約329万円の損害賠償を求め市を反訴しています。
7日開いた会見で、山下市議の代理人は、問題の土地について裁判中は市が売却したり貸してはならないなどする仮処分を申し立て、これを地裁沼津支部が認めた、と主張しました。
山下市議の代理人 河村健夫弁護士は、「係争中の問題の土地を(市が) 売り払ってしまって、買った人が 自分に所有権があるぞ、と言って 登記をしてしまった場合、山下さんが正式裁判で勝ったところ で問題の土地の登記を取り戻すことはできないという結論になってしまう」と説明。
また、代理人 萩原繁之弁護士は、「本裁判の結論を待っていたら何をされるか分からない。一応、本裁判でこちらが言っていることについて認められる可能性があるのではないか」
さらに代理人は「市が売却を試みているような具体的な情報があったわけではない」と説明した上で“土地の保全の必要性”を訴えました。
これについて市は、「仮処分の決定は土地の所有権の争いにおいてよくある一般的な手続きであります、今後の裁判への影響は全くないと考え、引き続き本市の考え方や意見を主張してまいります。」とコメントしています。