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【静岡県知事選】県東部・伊豆の課題は?

Daiichi-TV(静岡第一テレビ) 2024年5月14日 17時16分

史上最多の6人が名乗りを上げた静岡県知事選挙。しかしいずれも県中部や西部の出身で、東部や伊豆出身の候補者はいません…。

今回の静岡県知事選について、県東部に住む県民は…

(富士市民・30代会社員)

「東部に住んでいるので、応援しやすい親近感が湧くので東部の人がいてくれた方が嬉しかったです」

(御殿場市民・50代会社員)

「地元(東部の)の実情を知っている人になってもらった方がいいかな」「県全体を盛り上げてくれる人が東部からの人だったらいいかもしれないですね」

(沼津市民・30代会社員)

「静岡県全体として東部もひとくくりで考えてくれたらと思う」「東京からも人が移住してくるような場所ですので、東京からも通いやすい町として盛り上げてほしい」

首都圏に近い立地を生かし、新たな知事には“観光振興”や“移住促進”など「東部が持つ魅力」を発信してほしいという声も聞かれる中、大きな課題として浮上していることも…。それは地震などにより伊豆半島南部で発生するとされる「孤立集落」の問題です。

2024年1月、能登半島地震。多くの道路が遮断され、石川県内では最大で24地区3345人が孤立状態に…。救助や支援が遅れる事態となりました。この「能登半島」と道路の状況や地形が似ているのが「伊豆半島」です。

(静岡大学防災総合センター 岩田 孝仁 特任教授)

「地形的に急な斜面や入り組んだ入り江、そういったものを抱えている地域なんですね」「土砂崩落で寸断されるとか沿岸の道路網が津波によって一部通れなくなるとか」

地震などの大規模災害が起きた場合「伊豆半島南部」で孤立が予想される集落は6つの市町で44か所。その内、下田市では5地区8集落が孤立すると予想されています。

(下田市防災安全課 松本 瞬さん)

「中心市街地から北にある山間部に集中しているのが特徴」「山間部の集落になるので一本道のその先にある集落が多い」「細い道だったりしますので地震の強い揺れ、雨風の災害で道路の斜面が崩れ孤立してしまう」

私たちは実際に現地へと向かいました。

下田市の北湯ケ野区。ここには81世帯147人が住んでいますが、全世帯が孤立するわけではありません。

(坂井 太一 記者)

「こちら道路が2つに分かれていて、その先も大きな道路へと繋がるルートがいくつかある。反対を見ると一本道、遮断されるとその先が孤立する」

土砂で塞がれると行き来ができなくなる一本道…。さらにその先へ進むと。

(坂井 太一 記者)

「がたがた道になりますね。道路も狭いです」

「こんにちは~こんにちは~」

北湯ケ野区にはこうした険しい一本道沿いに点々と民家があるのです。

(北湯ケ野区の住民)

「道が塞がったら孤立する、この先は。ここまでは何とか逃げ道がある」「逃げ道を作ってあげてほしい」

こちらは避難所となる集会所にあった北湯ケ野区の地図。赤いシールが土砂崩れなどの恐れがある“危険か所”で…集落の至る所が“危険か所”として示されていました。この集会所は地区の唯一の避難所で、防災グッズも用意されているのですが、“孤立エリア”ではなく“孤立しないエリア”にあるのです。さらに、地区の防災倉庫も1か所のみで、こうした倉庫も“孤立エリア”には無いといいます。

(下田市北湯ケ野区 土屋 徳男 区長)

「防災倉庫があって食料が備蓄できるものがあればいいと思う」「防災倉庫を孤立する可能性がある集落にいくつか設置してほしい」「ヘリポート、救命に使える救援物資を運ぶことができる、最低一か所はほしい」

下田市も孤立予想集落への対策を進めています。

(下田市防災安全課 松本 瞬さん)

「候補としてあげられている各地域と調整したヘリが離着陸できそうな場所」「孤立予想集落対策として増やしています」

また、下田市では衛星電話などの配備や大雨などの際は早めの避難を呼びかけているということです。

専門家が指摘する課題は“孤立集落の高齢化”。各地域で災害に立ち向かうことができる体制づくりが必要だと話します。

(静岡大学防災総合センター 岩田 孝仁 特任教授)

「地域全体の防災力の低下が最大の懸念する問題です」「支える人たちが少なくなってしまって外からの助けがないと対応できなくなってしまう」「弱い地域、弱い人々をきちんとサポートできるような体制づくりを是非つくってほしい」

候補者の考える「伊豆半島の防災」「孤立集落」への対策は…。

(鈴木 康友 候補)

「道路網の整備が第一になると思いますけれど」「空から物資や人を輸送する、そのためには要所要所にヘリポートを整備し有事の際に備えることが必要ですし」「護岸の整備をして海から物資や人を運ぶことができれば道路だけでなく多重の防御ができる」

(大村 慎一 候補)

「伊豆縦貫道路を早期に整備をしていくことが必要だと思います」「年々予算が減っていますのでちゃんと予算を確保していく」「ハード面についてしっかりやりたいと思う」「災害の時にドローンを使うだとか新しい技術を導入して災害の対策をしていきやすい、そういう環境を作っていきたい」

(森 大介 候補)

「伊豆縦貫道、これもアクセスという点では耐震化ということで強められていると思うので」「ヘリポートの整備ですとか駿河湾フェリー、こうしたものも活用できるような、陸だけでなく海の方も含めた総合的な対策」「伊豆の防災は大事だと思います」

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