自民党静岡県連は10日、県連大会を開き、井林辰憲衆院議員が新たな県連会長に就任しました。一方、知事選での敗北に会場から厳しい声も飛ぶ中、対立候補を支援した浜松市議3人の処分を決める党紀委員会が開催されることも決まりました。
10日、静岡市で開かれた自民党県連大会。5月の知事選で党本部が推薦した大村慎一氏が落選した責任をとって城内実県連会長が辞任。新たに静岡2区選出で当選4回の井林辰憲衆院議員が会長に就任することが正式に決まり、幹事長、総務会長、政調会長の新三役も選ばれました。知事選の敗北から立て直しを図りたい自民党県連ですが、県連大会では突然出席者から“怒号”があがる場面も…。
(出席者)
「なんでこんなに自民党が大敗し、敗因を分析し、会場の皆さんの意見を聞かないのですか?」
(県連大会の議長)
「ただいま発言がありましたけれど、大会委員長より今大会の動議はないものとするという報告が最初にあったので、議事の内容に従って進行させていただきますので…」
(出席者)
「皆さんの意見を聞いてください。国民と党員と向き合う自民党じゃないですか」
厳しい船出となった井林新会長が言及したのは知事選での“造反問題”です。
(自民党県連 井林 辰憲 新会長)
「県知事選挙で私たちの党議拘束と異なる行動をとった方がいて、そのことが私たちに大きな宿題として与えられています」「一日も早くこの問題に答えを出して、新たな一歩を皆さんと進んでいきたい」
知事選で浜松中央支部所属の浜松市議3人が対立候補だった鈴木康友知事を支援した問題。告示日、鈴木知事の出陣式でマイクを握ったのは当選10回のベテラン柳川樹一郎浜松市議です。
(柳川 樹一郎 浜松市議)
「浜松市民として、このような機会をどんな風にしてでも生かしていかなきゃいけない」「浜松人としての使命ではないかなと思っています」
柳川市議は選挙戦最終日にも再びマイクを握り、鈴木知事を支援しました。このほか、選挙期間中に鈴木知事の個人演説会でマイクを握った高林修浜松市議。そして、告示前の4月に柳川市議とともに自民党本部に行き、事実上、大村氏の推薦を見送るよう求めた鳥井徳孝市議の3人に対する処分を求める声があがっていました。10日、自民党県連は浜松市議3人の処分を決める党紀委員会を開催することを決めました。
(自民党県連 相坂 摂治 新幹事長)
「きょう役員の皆さまにこの反党行為と言われているものについて」「今後役員会の名前で党紀委員会に付託して、その審議を行っていただくことを、きょう決めさせていただきました」「日程スケジュールその他はこれから決定します」
党紀委員会では事実関係の確認や浜松市議3人への聴取などを行い処分を決める方針です。
一方、知事選をめぐっては、浜松市の自民党支部から党の政調会長代理を務める片山さつき参院議員に対し反発する動きが出ています。
これは、浜松市浜名区の4つの支部が提出した片山議員に対する抗議・上申書。片山議員の2つの行動について「明確な反党行為である」と指摘しています。1つは「党の世論調査の結果を鈴木知事の陣営に流出させたこと」。もう1つは「鈴木知事の選挙事務所に“為書き”と呼ばれる応援ポスターを送ったこと」をあげ、厳正な処分を求めています。これらの訴えに関して、今後、県連は党本部に相談し、対応をゆだねるということです。
(自民党県連 井林 辰憲 新会長)
「まず県知事選の総括をしっかりやっていく、私たちの党議拘束と違反した方がいるのではとご指摘をいただいているので、この問題にけじめをつけて、またみんなで一丸となって進んでいくことが大事」
新体制がスタートした自民党県連ですが、課題が山積する中、難しいかじ取りを迫られることになりそうです。
この記事の動画はこちらから再生できます