静岡・富士市の国道に架かる「夢の大橋」。ここは富士山がきれいに見える場所として、いま外国人の中で話題となっています。しかし、多くの外国人が訪れることで、周辺では様々なトラブルが発生するなど行政も対応に迫られています。
富士市蓼原の国道139号に架かる「夢の大橋」。この橋で。今、ある異変が起きています。それは…。
(勝俣 宜彦 記者)
「富士山を背景に外国人観光客が写真を撮っています」
夢の大橋は、今、外国人が訪れる“ 観光スポット”になっています。橋の階段から富士山を上ったように見えるとして、海外の有名インフルエンサーが写真を配信したことがきっかけで人気に火が付き、SNS映えする撮影スポットとして2023年11月ごろから外国人が大挙して訪れています。
(観光客)
「(夢の大橋は)有名なんですよね、 インスタ、SNSとかで」
(観光客)
「インターネットでここでから富士山が見られると聞いて来た」「(富士山は)日本のシンボル、日本といえば富士山」
多い日で一日約300人ほどが訪れる夢の大橋。しかし、撮影に夢中になりすぎたのか文化の違いなのか、マナーの悪さも目につきます。
(横山 明浩 記者)
「縁石に上ってポーズをとっています。すぐ横で車が走っているので、あぶないです」
危険な行為はこの他にも…。道路を横断し、中央分離帯で撮影する外国人もいます。さらに…。
(横山 明浩 記者)
「ドローンです。ドローンが飛んでいます。道路の真上で飛行しています」
ついには、正体不明のドローンまで出現。富士市もこのような迷惑行為に戸惑っています。
(富士市産業交流部 交流観光課 松村 岳典 課長)
「『夢の大橋』の上がった歩道の所を(富士山を)撮る推奨エリアとしていた」「それほど多くの人が来る場所ではなかったが、正直ここまでとは」「しかも階段ごしというのは、正直困惑している」
また、外国人が集うことで近隣住民への迷惑行為も。
(藤間区 松本 政利 区長)
「(車を)道路にも止めるし、人の家の敷地内にも止めるしいろいろ」「あと困るのはゴミ問題」「ことしはまた夏が熱くなるから熱中症対策を何とかしてもらいたい」「やっぱりここに来てもらって熱中症になったら連絡先もわからない」「もし何か大事故があったら困りますからね」
取材をしたこの日も、進入禁止エリアに立ち入ったり、住宅の写真を撮影したり、また、自転車を違法駐輪したりする姿が確認されました。
現場では、これまでも市の職員や警察などが定期的に巡回してきましたが、富士市は6月3日、さらに対策を強化。橋の下に駐車場を開設しました。駐車場は、17台分の駐車スペースがあり、駐輪場や仮設トイレ、誘導員も配置しました。さらに、橋を管理する静岡国道事務所も5月29日、中央分離帯への侵入を阻止するため、高さ80cm 幅4mの柵を設置しました。国道事務所は、さらに数か月後には、高さ1.8メートルのフェンスを設置し中央分離帯を完全に封鎖する予定です。市に、今後の運営方針を問うと…。
(富士市産業交流部 交流観光課 松村 岳典 課長)
「基本的には普通に写真を撮ってもらう分には全く構いませんので」「ルールとマナー、この場所自体は生活道路なので、ここに住んでいる方のことを考えてもらうように発信できるよう、我々の方はシフトしていきたい」
夏の行楽シーズンには、さらに多くの観光客が訪れることが予想される「夢の大橋」、住民や市は、警戒を強めています。
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